Phanteks Enthoo Pro Mの紹介

先日ケース交換をしたPhanteksのEnthoo Pro Mの紹介をしようと思います。

外形

サイズは 235 mm x 480 mm x 500 mm (W x H x D) 56.4L 7.4kgと、横幅の広いミドルタワーケースという感じです。

材質はプラスチック&スチールで、フロントパネルのプラスチック部分はアルミっぽく見えるようにヘアラインの模様が入っています。

色は2色展開で、今回買ったのはTitanium Greenという色ですが、これはそれほど緑っぽくない色です。黒に近い緑という感じです。

各部パネル

サイドパネルは透明な窓付きです。この辺は最近のMODPCの隆盛に対応した仕様です。うちのマシンは人に見せるほど美しいものではないですが、冷却水の水位確認に便利です。

サイドパネルの固定方法は昔ながらの爪を引っかけて背面のネジで固定するタイプです。個人的にはワンタッチで開く各種機構を信用していないので、これが一番安心できます。ただ、やはり安価なケース故かネジ穴の精度がちょっとイマイチです。

フロントパネルはプラスチック製で、側面にUSB3.0コネクタやイヤホンジャックなどを備えています。この側面にあるというのがおしゃれです。

フロントパネルは樹脂製のピンの弾力で留まっているので、付け外しをしているうちに疲労で折れないかがちょっと心配な点です。

トップパネルはメッシュ加工されており、各種ファンや最大360サイズのラジエータ搭載に対応します。また、流行のマグネット式フィルタを備えています。

電源スイッチもトップパネルにあります。ちなみにこの電源スイッチのLEDは強烈に明るいので、スリープ状態にして就寝しようとすると部屋の天井がチカチカして非常に気になります。スリープ操作後に紙の切れ端をかぶせて明かりを抑えています。

内部

内部はデフォルトで5インチベイ x 1、3.5インチシャドウベイ x 2が用意されていますが、これらを外すことで厚形のラジエータをケース内に搭載することが可能です。トップ配置であれば5インチベイだけ、フロント配置であれば5インチベイに加えて3.5インチベイも外す必要があります。

これがこのケースで一番気に入っているところです。「360サイズのラジエータに対応」といっているケースでも大半は薄型ラジエータを想定しているように思うのですが、厚形が入るのは大変魅力的です。

また、ケース内部は2段構成となっており、電源ユニットから出てくるケーブルや水冷用のポンプを隠すことができます。この2段構成も最近よく見る機構です。

下段のケーブル隠しにはPhanteksのロゴが入っていますが、なかなか豪快な加工です。

ケース天面にはラジエータ用のブラケットが備えられています。これはケースから引き出すことができ、これによりブラケットにラジエータを固定した後でケースに戻すことができるので、作業性が良くなっています。

ケース内のファンは手持ちのものと取り替えてしまいましたが、14cmファンが1個付属します。

作業性という点でいうと、ミドルタワーケースの割には横幅があるので、比較的作業はしやすいです。水冷システムを組み込むとチューブのアーチ高さなんかにも気を使いますが、横幅に余裕があるために割と自由に構成が可能です。

背面

背面は向かって左側のスペースがわずかに深く取られており、ケーブルの背面通しがしやすくなっています。昔は無理矢理背面通しをしてサイドパネルが内から膨らむなんてことがよくありましたが、そういった心配はありません。

また、デフォルトで2.5インチベイが1個付属します。オプションの購入で2個まで増やすことができます。

背面にはケーブルをまとめる面ファスナーが3ヶ所備えられています。タイラップと違ってつけ外しができるので、パーツの組み替えが多い人にも安心です。これはよく考えられている機構だと思います。

底面

底面は電源ユニットが配置され、取り外し可能なフィルタが付属しています。

まとめ

実勢価格で1.4万円前後と安価なケースですが、流行の機能を多数盛り込んでおり、悪くないケースだと思います。多少加工の粗さのようなものは気になりますが、使用において致命的なものではありませんでした。

特に、ミドルタワーで水冷システムを作るという需要には向いていると思います。もちろん、オーソドックスな空冷仕様のPCでも作りやすいと思います。

ケースは買い換えてもいいかも

ちょっと前までは「ちゃんとした(特にアルミ製の)ケースを買えば一生ものとして使える」と思っていたのですが、今回ケースを換えてみて「4-5年周期でケース交換をした方が良いかも?」と思い直しました。

今回のEnthoo Pro Mは安価な部類のケースですが、数年前の同価格帯のケースに比べれば遙かに加工精度は良く、また流行の機能も多数盛り込まれています。やっぱりパーツ同様にケースも進化しますので、パーツほどの頻度でないにしても買い換えた方が良いように思います。

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