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AMD at CES2025

毎年恒例のCESが開催になり、AMDからも色々と発表がありました。

3D V-Cache搭載のCPUラインナップ拡充

ゲーム向けとして訴求されている3D V-Cache搭載のCPUが新たに発売されるそうです。デスクトップ向けは9950X3Dと9900X3D、また新たにモバイル向けとして9955HX3Dが登場するそうです。ゲーム向けと言われてはいますが、AMDの発表によれば大容量のキャッシュはクリエイティブ系のアプリケーションにも効果があるということです。

3D V-Cacheはゲームでも効くものと効きにくいものがあるようなのですが、ハマればかなりの効果を発揮するそうです。モバイル向けも追加されたので、従来よりはもう少しメジャーな存在になってくるかもしれません。

RDNA4搭載のVGAが発表

まだ発売見込みの発表までで具体的な性能や価格については触れられていませんが、RDNA4世代のGPUを搭載したVGAが2025年の第一四半期中にも登場見込みということです。現時点では上位モデルの9070XTと9070が発表になっています。

今回からAMDのVGAはモデルナンバーの命名ルールを変更し、Nvidiaと同じく十の位で性能の優劣を表記する方法にするそうです。またこの十の位の値はGeforceのモデルナンバーと競合するように命名されているということなので、今回発表された9070であればRTX5070に対抗するものという立ち位置での命名になっているということです。

(続)The Version of AMD Radeon Software…というエラー

以前表題のエラーに遭遇し、「ドライバをアンインストール後再度インストールしたところ解決した」というエントリを書きました。

エラー内容としては同じなのですが、ドライバの入れ直しで解消しないケースに遭遇したのでまとめておきたいと思います。

事象

発生のきっかけ

久々にSteamでKenshiを遊んでいたところ、突然ゲームがクラッシュしてPC自体が再起動してしまいました。Kenshiはクラッシュの多いゲームなのでこれ自体はあまり驚くことではないのですが、その後が普段と少々違いました。

症状

再起動後VGAのドライバがロードできず、3Dのアクセラレーションがかからない状態になってしまいました。デスクトップなどの画面表示に異常はありませんが、ゲームを実行するとfpsが15程度しか出ないという状態でした。

この状態でAMD Softwareを起動しようとすると表題のエラーが表示されました。

また、デバイスマネージャーでVGAの状態を確認すると、「問題が発生したのでこのデバイスは停止しました。 (コード 43)」というエラーが発生していました。

またデバイスのプロパティを詳しく見てみると、「amduw23gが読み込めず、デバイスが開始できない」旨のイベントログが残っていました。

対処(今回は効果のなかったもの)

デバイスドライバの入れ直しも含めて様々な対処を行いましたが、この時点では改善できませんでした。ただここに挙げた対策は一般的には有効とされているものばかりなので、同様のエラーが発生したときに試してみる価値はあると思います。

  • デバイスドライバの入れ直し
  • キーボードショートカットによるVGAのリセット(Ctrl+Shift+Win+B)
  • デバイスマネージャーでVGAを一旦無効にして再度有効にする
  • Windowsを起動後、”AMD Cleanup Utility”でドライバをきれいに削除して入れ直し
  • システムの復元

ここまでやってみてダメだったので、もうWindowsごとクリーンインストールすることにしてしまったのですが、Windowsを入れ直しても問題が解消しませんでした。

解決までの経緯

今回の問題はなぜか偶発的に解決してしまいました。行った操作はこのような形でした。

  1. クリーンな状態のWindowsにドライバをインストールしたところ、問題が解消していないことを確認
  2. 一旦セーフモードで起動し、AMD Cleanup Utilityを実行する準備をする(ドライバ削除後、ワークステーション用のPROドライバを入れてみるつもりだった)
  3. セーフモード起動時に「問題が発生したため、暗証番号「PIN」を使用できません。クリックして…」という全く関係ないエラーが発生
  4. PINを再設定しようとしたが、PIN再設定用の画面が一瞬表示されてすぐ消えるので設定できず
  5. ログイン画面でShiftキーを押しながら再起動し、Windows回復環境を起動してWindowsを初期化
  6. なぜかVGAドライバの問題が解消

PINの問題は全く関係ないように思うのですが、仕切り直しの意味で実行したWindowsの初期化により問題が解消しました。

原因と正しい対処の検討

結局何が悪いのかは良く分からなかったのですが、ネット上の情報を色々見ていると「Windows UpdateがRadeonのディスプレイドライバを上書きすることがあるので、Windows Update経由でデバイスドライバを入手しないようにした方が良い」という意見が多くありました。

AMD software not compatible with your graphics driver

[Reddit.com]

この設定は”システムの詳細設定”内の”ハードウェア”タブにあるデバイスのインストール設定というものです。デフォルトで有効になっていますが、Radeonだけなのか、この設定がトラブルの原因になるという指摘が多くありました。デバイスドライバは基本的に手動でまめに更新するので、私も今回の件を機に無効にしました。

今となっては詳しい検証が困難になってしまいましたが、この”本来読み込まれるべきドライバに対して別の何かが優先して読み込まれている”という状況は確かにありそうに感じます。

さすがにWindows自体を入れ直せば問題は解消しそうなものですが、それでも問題が起きたのはWindowsインストール時点で何らかのドライバがインストールされてしまったのではないかと思うからです。

結局別途AMDから入手したドライバをインストールしても問題は解消せず、”ドライバがある状態でWindowsの初期化をしたら解消した”わけですから、クラッシュ後に異常が起きたのはどちらかというとWindowsの挙動が原因ではないかという気がしています。

今思えば一番解決に近そうなのは

  1. AMD Cleanup Utilityを使用し、セーフモードでドライバを完全に削除
  2. セーフモード中にWindows Updateからデバイスドライバを入手しないよう設定変更
  3. 再起動後ドライバを再度インストール

だったかもしれません。

AMD Software 24.12.1がリリース

ホリデーシーズンの大型タイトルに対応したバージョン24.12.1がリリースとなりました。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.12.1 Release Notes

[amd.com]

今回は新規サポートタイトルが多く、話題のS.T.A.L.K.E.R. 2もサポートタイトルに含まれています。

このほか、WindowsのWSL2でROCmが正式にサポートされるようになったということです。ROCmはAMD製のGPUでAIワークロードを最適化できるように設計されたプラットフォームだということです。

以前はLinux環境でROCmを使うのが一般的とされていたそうですが、今回のWSL2対応でWindows環境でもROCmが使えるようになったそうです。AI用のGPUと言えば圧倒的にnvidia製が強いのでRadeonは影が薄いですが、どうしてもRadeonでAI系の処理をしたいという方には朗報なのではないかと思います。

Ryzen7 9800X3Dが発表

ゲームに向いているとする3D V-Cacheを搭載するX3DシリーズのRyzen9000シリーズ版が発表になりました。

第2世代3D V-Cacheでゲーム性能が最大8%向上した「Ryzen 7 9800X3D」

[PC Watch]

3D V-Cacheの配置を変更することによりCPUクロックが上がりやすくなり、性能が向上しているということです。

8コア16スレッドという仕様は9700Xと同様ですが、ベースクロックは4.7GHzと高めに設定されており、最高クロックは5.2GHzとこちらはやや抑えめになっています。ベースクロックは9950Xよりも高いので、ゲーム向けを意識して基礎性能を高めに設定しているのかもしれません。

そのせいもあってかデフォルトのTDPは120Wとなっています。

AMD Software 24.10.1がリリース

10/18付けで24.10.1がリリースされています。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.10.1 Release Notes

今回のバージョンではUnknown 9: AwakeningとCall of Duty: Black Ops 6が新規タイトルとして新たにサポートとなりました。

仮想超解像度技術とラグ軽減を同時に適用できるHYPR-Tuneの新規対応タイトルとして、

  • Call of Duty: Black Ops(初代)
  • 7 Days to Die
  • Once Human

がリストアップされています。少し前のタイトルも含めて人気のあるものが順次サポート可能になってきている印象です。

AMD Software 24.9.1がリリース

10/1付けでバージョン24.9.1がリリースとなりました。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.9.1 Release Notes

[amd.com]

今回新たにサポート対象となったのは以下のタイトルということです。

  • Frostpunk 2
  • God of War Ragnarok
  • Warhammer 40,000: Space Marine 2
  • The Sims4 DirectX11 Update

AFMF2

また、ベータ版のドライバでは提供されていたというAFMF2が正式版として提供開始されました。AFMF2ではAIによるフレーム生成に最適化が図られており、Ryzen AI 300系などのNPUが搭載されているとより高いパフォーマンスが期待できるということです。

フレーム生成のレイテンシーも従来のAFMFより向上しているとのことです。従来同様単純なON/OFFで有効にできますが、細かい設定を個別に行うことも可能ということです。

Geometric Downscaling

もう1つ地味ながら興味深い機能がGeometric Downscalingです。これは動画再生時にウィンドウサイズがネイティブ解像度よりも小さい場合に発生する描画の潰れやノイズを抑制し、よりなめらかに見せる技術ということです。

利用可能な製品は統合型のRadeon800Mシリーズかデスクトップまたはモバイル向けのRX7000シリーズでのみ利用可能ということです。これは我が家の環境で使えるようなのでありがたい機能です。

ちょうど10/8にディアブロ4の拡張パックが発売されるので楽しみにしていたところですが、AFMF2が正式提供となったのでゲーム体験の上積みも期待できそうです。

AMD Software 24.8.1がリリース

8/29付けでバージョン24.8.1がリリースとなっています。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.8.1 Release Notes

[amd.com]

新規にサポートされているゲームタイトルは以下の4つとなっています。

  • Call of Duty: Black Ops 6 Open Beta
  • Concord
  • FINAL FANTASY XVI
  • Star Wars Outlaws

この他にHYPR-Tuneが強化され、HYPR-RX設定がゲームを起動したまま直接可能になりました。従来は設定変更後にゲームの再起動が必要でした。

Anti-Lag 2 がGhost of Tsushima DIRECTOR’S CUTに対応しました。これにより同タイトルの解像度4K、描画品質Very Highの状態で約28%入力レイテンシを軽減できるとのことです。

AI関連にもアップデートがあり、AMD向けに設計されている画像生成アプリのAmuse2.1.0に最適化が完了しているとのことです。Amuse2.1.0はFlux.1モデルに対応しているとのことですが、動作させるためにはVGAはRX7900以上、メインメモリが32GB以上必要とさすがになかなかの高スペックを要求するものとなっています。

Ryzen9000シリーズ上位モデルのベンチマーク

製造上の問題で発売が若干延期になったRyzen9000シリーズの上位モデルに当たる9950Xと9900Xのベンチマーク記事がPC Watchさんに掲載されていました。

注目の「Ryzen 9 9950X」はどこまで速くなる?Core i9-14900Kとガチ勝負

[PC Watch]

上位モデルは9950Xでは16コア32スレッド、9900Xは12コア24スレッドとコア数が多くなっています。上位モデルはパッケージとしてCPU内にダイを2個搭載しているので、TDPもそれぞれ170W・120Wと高めの設定になっています。

性能面ではZen5コアの特徴であるシングルスレッド性能が順当に発揮されているという印象です。上位モデルはコア数が多いのが強みではありますが、Ryzen9000系はそれほどマルチスレッド性能を要求されない低-中負荷の作業時に良さが目立つように感じます。

前世代に比べて効率は良くなっているようですが、テストで使用しているCPUクーラーが360サイズのラジエーターを搭載するかなり高性能なものなので、ベンチマークテストのような高負荷のタスクをさせると設計電力の最大までCPUが仕事をするようです。

設計電力最大までCPUが回ってしまうとちょっと電気の使い過ぎだなという場合はUEFIで電力を絞って運用するなどすれば取り扱いがしやすいかもしれません。

Ryzen9000シリーズは前世代に比べて発熱量が少なくなっているので、冷却装置のキャパシティやUEFI設定で最適な設定を詰める余地がかなりありそうに感じます。この点非常に自作をする上では面白い製品群になっているのではないかと思います。

Ryzen9600・9700は日本国内で8/10に発売

Zen5コアを搭載するRyzen9000シリーズのミドルレンジクラスにあたる9600と9700が日本国内では8/10に発売されるということです。上位モデルも元々同時発売の予定だったようですが、製造上の問題により上位モデルは遅れて発売される予定です。

発売に先んじてベンチマーク記事も公表されています。

Zen 5採用の最新鋭CPU「Ryzen 7 9700X/5 9600X」の実力を試す

[PC Watch]

今回採用のZen5アーキテクチャはシングルスレッド性能が高まっているということでしたが、テスト結果からも性能向上が読みとれる結果となっています。

基本性能が向上した上で注目したいのは消費電力の低さと発熱の少なさです。今回の9600と9700は電力リミットが88W、熱リミットが95℃となっています。テストでは熱よりも先に電力リミットに到達してCPU自体の温度は60℃台でテストを終えています。

最近のCPUは簡単に80℃や90℃に達してしまうような高発熱なものが多い中、この発熱の少なさはかなり取り扱いが楽そうです。ハイエンドラインの製品の性能にも注目したいと思います。

AMD AFMF2のテクニカルプレビューが公開

AFMFの略称で知られる”AMD Fluid Motion Frames”のバージョン2がテクニカルプレビューで試せるようになっています。

AFMFはゲームのフレームレートを補完して、スペックが不足している状態でも滑らかに表示を行う技術です。対応したハードウェアさえ用意すれば様々なタイトルで利用できるという点が注目されました。私の普段の環境でも活用しています。

バージョン2に関して紹介する記事があったので見てみました。

AMD Fluid Motion Frames 2 Technical Preview Now Available

[amd.com]

まず、パワーユーザーがより細かい設定をできるように”Search Mode”というオプションが追加されました。”High”と”Standard”の2種の設定があり、WQHD以上の解像度ではHighが推奨、フルHDまでの解像度であればStandardが推奨になるそうです。解像度に合ったモードを選択することでより画質が向上するということです。

これらの設定はAMD Software側でハードウェアをスキャンして自動で設定することも可能ということで、難しいことを考えたくなければAuto設定にすることで、PC構成に最適な設定を適用してくれるようです。統合型GPUを使っている場合でも最適な設定にしてくれるということです。

また、全体的にフレーム生成のレイテンシーが低下しているそうで、設定にかかわらずAFMF1と比較するとパフォーマンスは向上しているということです。

テクニカルプレビューは今からでもさっそく試せるらしいのですが、AMD Softwareのプレビュー版を導入する必要があります。興味はあるのですが3日前にドライバが原因と思われるトラブルでOSを入れ直したばかりなので、今回は試さずにリリース版のドライバに統合されるのを待ちたいと思います。