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R9 NanoのTDPはなぜ低いのか

昨日公開となったR9 Nanoの情報で最も驚いたのはTDPの低さでした。
毎度お世話になっているPC WatchさんがAMDに対して質問をしたそうなのですが、回答が得られたそうです。

Radeon R9 NanoのTDPがFury Xより100Wも低い理由
[PC Watch]

1つにはコアの周波数が可変かつ最も効率のいいクロックで動作するようになっていること、
もう1つは最高クロックの50MHz分ということでした。

わずかに50MHzという感じがしますが、最高クロックをわずかに下げるだけでもTDPの削減には大きく効果があるそうです。
R9 Nanoは小型筐体に収めることを優先に極力電力効率が良くなるよう設計されているカードと言えそうです。

Radeon R9 Nanoが発表

仕様とスペックを聞いてみるとちょっと意外な印象もあります。

Mini-ITXで4Kゲームを実現する「Radeon R9 Nano」 ~Fury Xと同チップ採用でTDP 100W引き下げ
[PC Watch]

意外に思ったのはFury Xに対しての性能の高さです。
小さい分、もう少し下のレンジの性能になるものかと思っていました。

Fury X比で性能が微減にとどまる分、TDPで-100Wという数字のインパクトは強烈です。
半導体も選別品ということで価格は気になりますが、HBM採用VGAの本命という印象です。

こうなってくるとFury Xの立場がちょっと微妙に感じますが、思い返してみればFury X発表時には
「とにかく新技術に興味があって早く試したいユーザ向け」みたいなことがAMD側から言われていたような気がします。
あのコメントは誇張なくその通りで、Fury Xはいわゆる初荷的な性格の強い製品だったのかなという気もします。

AMDからWindows10用ドライバが登場

今回のバージョンからDirectX12対応になっているそうです。

NVIDIAとAMD、DX12対応のWindows 10ドライバを公開
[PC Watch]

バージョンは15.7.1で小改修扱いになっています。

Windows10に切り替えたユーザにとっては入手必須と言えるでしょう。
DX12への対応で同じGPUでもパフォーマンスの向上が期待できるとのことですので、特にゲームをされる方は要チェックだと思います。

AMDのCEOインタビュー

かなりボリュームがあり読み応えのある記事です。

「小さなもの」から「大きなもの」へシフトする:AMDは失地を回復できるのか──AMD CEOに聞く
[ITmedia]

各分野においてメインストリームより上のレンジで戦っていくという戦略が示されています。
ローエンド市場については価格競争が激しいので投資せず、また少し前に買収したSeamicroのマイクロサーバ事業も清算見込みとのことです。
記事内でも触れられていますが、最近AMDは戦略の転換がずいぶん速くなったように思います。Skybridgeも発表されたと思ったらキャンセルされてしまいましたし、これはリサ・スーCEOの手腕によるところかもしれません。

今後の製品については既報の通りCPU・APU用の新コア”Zen”と2016年に登場予定の新GCNが紹介されています。
先日HBM採用のGPUが出たばかりですが、2016年にはHBMをアップデートしたGPUを投入する計画があるそうです。

R9 Furyが登場

ちょっとややこしいですが発売中の水冷クーラーを搭載したFury Xの下位バージョンということになります。

AMD、空冷でGTX 980より高速な「Radeon R9 Fury」が明日発売
[PC Watch]

Fury Xとの価格差はドルベースで100ドル(Fury Xが$649、Furyが$549)なので、1万円前後安価ということになるのでしょうか。
簡易水冷キットまでついてるのはハードルが高く感じる方にはFuryが良さそうです。
カード長はFury Xと同じなのですが、記事内のSapphireの製品を見るとクーラーが結構はみ出ているように見えます。

Catalyst15.7が登場

今回のバージョンからWindows10に対応しているそうです。
そのためか、珍しくインプレスさんで記事になっていました。

AMD、最新版CatalystでWindows 10/DX12をサポート ~ハードウェアHEVCデコーダの有効化も
[PC Watch]

GCN以降のGPUとの組み合わせでWin10対応ということになるようです。

Catalyst Omegaに対してパフォーマンスが向上しているほか、ディスプレイのリフレッシュレート以上の描画をせずに電力を節約するFRTC、
Crossfire時のFreeSync対応など新要素もいくつか追加されています。

Catalyst15.6betaがリリース

新しいGPUが出たのでドライバも新しくなっているだろうと思って見に行ったのですが、
確かに新しいドライバはあったもののFuryシリーズ向けではありませんでした。

Batman : Arkham Knight用の最適化が施されたドライバとのことです。

最適化されているとは言いながら既知の問題として同タイトルのベンチマークがクラッシュする問題もあるようです。

リリースノートはこちらです。
AMD Catalyst™ 15.6 Beta Driver for Windows® Release Notes
[AMD.com]

R9 Fury Xのベンチマーク記事

いよいよ実際のベンチマーク記事が出てきました。

初のHBM搭載ビデオカード「Radeon R9 Fury X」を試す
[PC Watch]

広帯域が売りのHBM採用製品だけあって、ある程度得意不得意がはっきりしているようです。

【得意】高解像度下での描画
【不得意】大量のVRAMを消費する描画

少ないとは言え4GB分VRAMはあるものの、それに収まりきらないレベルの品質の描画ではパフォーマンスが低下してしまうようです。
先日の発表会で「VRAMの量ではなく設計に注目してほしい」というようなコメントがあったのはVRAMを使い果たすような運用をすると良さがなくなってしまうためだったのかもしれません。
HBMはメモリがGPUコアの周辺に並んでいる関係上どのように容量を増やしていくかは難題になりそうな気がします。

ちょっと癖のある性能という感じはするものの優秀な競合製品ともいい勝負になっていてなかなかのものだと思います。
今後登場するR9 Nanoやコンソールシステムへの転用にも期待が持てそうです。

Radeon Furyシリーズの国内発表会

米国本社からゲストも招かれなかなかの力の入りようです。

649ドルからのハイエンドGPU「Fury X」の仕様が公開 ~HBMによりGDDR5の3倍の電力効率を達成
[PC Watch]

記事内に既存のGDDR5を使用するR9 300シリーズのグレードごとの想定使用スタイルが書いてありますが、こういう説明はわかりやすくて良いと思います。
で、肝心のFuryシリーズはどんなユーザ向けなのかというと、とにかく性能重視で新しいテクノロジにも興味があるハイエンドユーザ向けと位置づけられているそうです。

まだ性能データが詳しく公になっていませんが、あえてFuryシリーズを最高性能の製品である、とアピールしないのはR9 300系統に対してもしかしてコストパフォーマンスの悪さがあるのかな、という気がします。
さっそく各社からFury Xのカードはリリースになっていますが、新発売直後のご祝儀価格ということもあってか実売10万円超ということです。
R9 390Xなら7万円くらいになりますので、Fury Xはこの価格差相応の性能差にはなっていないのかもしれません。

AMDとしては今回は新しいメモリの仕組みが製品になったというところを積極的にアピールしたいようです。
この辺はかつての”ネイティブ4コア”のプロモーションを思い出します。

Radeon 300シリーズが登場

HBM搭載のFuryの話題が出ましたが、GDDR5採用の新製品も出ています。

各社、Radeon 300シリーズ搭載カードを発売 ~R9 390XからR7 360までフルラインナップ
[PC Watch]

一応新製品ということですが、スペックを見るとFury登場に合わせたマーケティング的な事実上の名称変更という感じです。
Furyが出たけどGDDR5版のVGAが相変わらず200シリーズってのもなんだろう、という判断でしょう。

とは言え、コアクロックやメモリ搭載量等多少スペック的に変化しているところもあります。
R9 380なんかは価格も性能もちょうどいいところに収まっている印象で、このくらいのレンジの製品は好きです。