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【国会図書館】歴史の道調査報告書 14 (裾花川通り大町道)

国立国会図書館デジタルコレクションで道路に関する調べ物をしていたところ、表題の資料を見つけました。

歴史の道調査報告書 14 (裾花川通り大町道)

[国立国会図書館デジタルコレクション]

歴史の道調査報告書 について

この資料は長野県教育委員会が編さんしたもので、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できるものだけでも長野県分で40編ほどが確認できます。

もともとは文化庁が1978年に開始した歴史の道調査事業に基づいてまとめられたもののようです。明治時代より前の人馬の通行がメインだった古い街道跡を調査し、街道沿いの名所旧跡なども含めて紹介するという内容のようです。

調査に関しては各都道府県単位にブレイクダウンされ、こういった報告書の体裁でまとまっているようです。長野県分に関しては古いものだと1980年から、最後の方のものは1996年発行となっています。

他の都道府県でも同様の資料がまとまっており、同じように国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧できるものがあります。

本書の内容

この巻は裾花川通り大町道、つまり現在の国道406号の善光寺仁王門-白馬方面の古道の紹介をしています。調査された方は実踏調査をされたようで、現在の基準では登山道のような道も含めて旧道が紹介されています。基本的にはトレース可能な区間については実踏しつつ、要所のランドマーク(寺社仏閣や石碑など)を紹介していくというフォーマットです。

今回の善光寺-白馬間の路線については裾花ダムの完成により旧道が水没してトレースできなくなっている区間もあります。こういった区間については資料や聞き取りベースでの記述になっています。

見どころ

大まかには現在の国道406号沿いなので鬼無里に至るまでは何となく内容にも想像がつくのですが、面白いのは鬼無里と白馬の間の峠越えです。現在の国道406号は白馬までを最短距離でなく、大きく南西方向にう回する形で極力勾配を緩くして登っていきます。これは自転車で走行していてもほどほどの勾配になっていることが実感できます。

しかし旧道については基本的には最短距離を優先していたようで、北から順番に柄山峠・柳沢峠・夫婦岩といういずれも今の白沢洞門よりも標高の高い峠を通過していたようです。峠の標高が高いうえに鬼無里の西側からいずれも直登に近い感じのルートだったと思われるので、通行には難儀したのではないかと思います。

柳沢峠の位置は以下の通りです。国道406号の延長線上、鬼無里の町からそのまま延びた先にあるのがお分かりいただけるかと思います。

※一応Openstreetmapには登山道のようなものが見えます。また国土地理院の地図にも峠までは人道が図示されています。

調査者の方はこれらの古道についても実際に現地で調査をされたようで、途中の石仏などについて詳しい記録が残っています。ただあくまでも1980年代の調査当時の話であって、現在どうなっているかは不明です。

他の巻も気になる資料

私は登山の心得が全くないのでこの資料の調査者の方のように実際に現地に足を運んで調査をするのは難しそうに思いましたが、こうやって資料ベースで旧街道の情報が学べるのは貴重です。長野県は県域が広いだけあってほかにも同様の資料は40巻近くあるので、興味深いものがないか追って見てみたいと思っています。

【国会図書館】上田歴史地図 : 上田市・小県郡 (長野県の歴史地図シリーズ1)

国会図書館で資料探しをしていたところローカルな古地図本を発見しました。

上田歴史地図 : 上田市・小県郡 (長野県の歴史地図シリーズ1)

[国立国会図書館デジタルコレクション]

タイトル通り上田市街地の歴史的な地図を集成したものです。江戸時代のものが全体の半分ほど、明治以降の近代のものがもう半分ほどという感じです。出版されたのは1983年ということです。出版元は松本市にあった郷土出版社という出版社で、2016年に廃業してしまっているということでした。

上田市街地周辺というテーマを絞って多数の地図が掲載されているため、地図をそれぞれ単独で見ても面白いですし、時代ごとの変化を見るのも面白いです。

収録されている地図の大半は地図というよりは案内図的な側面が強いもので、測量的な精度があるものではありません。逆にそのために地図ごとに異なる主題が読み取れるので、地図の発行目的や当時の時代背景などを考えながら見てみると面白いと思います。

タイトルから見るにシリーズものとして続刊を予定していたのかもしれませんが、Web上で調べる限りは1巻の上田市街地編しか刊行されなかったようなのが残念です。

国立国会図書館デジタルコレクションに含まれる資料画像の転載ルール

いつもお世話になっている国立国会図書館デジタルコレクションですが、条件に当てはまる資料であれば資料画像そのものの転載も行えるということを最近知りました。

国立国会図書館ウェブサイトからのコンテンツの転載(国立国会図書館デジタルコレクションに掲載されているコンテンツについて)

[国立国会図書館]

前提条件として資料の公開種別が”ログインなしで閲覧可能”となっているもので、なおかつ公開範囲がインターネット公開(保護期間満了)となっている資料に関しては画像の転載も申請など必要なく行えるということです。条件に当てはまるものがどれほどあるのかが不明ですが、エントリで紹介したい資料に関しては中の画像も併せて紹介できたほうがわかりやすくなると思うので、機会があれば利用させていただきたいと考えています。

【国会図書館】鐵道軌道線路圖 : 昭和十年十月一日現在

国会図書館デジタルコレクションで面白い文献を見つけました。鉄道省が1936年に刊行したという全国の鉄道路線図です。

鐵道軌道線路圖 : 昭和十年十月一日現在

[国立国会図書館デジタルコレクション]

この文献は全国の国鉄・私鉄を網羅した路線図を地域別に収録したものです。当時の鉄道路線の状況がわかって面白いのですが、この資料のポイントは”未成線”や”鉄道敷設法予定線”についても図示されているところです。実際には免許が下りていたものの開業しなかった路線についても図に入っているので、さながら”夢の鉄道路線図”のような見た目になっているのが特徴です。

例えば関東地方でいえば神奈川県内はこの当時あまりたくさんの路線が走ってはいませんが、淵野辺-田奈村間に相武電気という路線が記載されています。この鉄道事業者は路線を開業することなく倒産してしまったということです。

長野県周辺を見ると、善光寺白馬電鉄の路線が記載されているのはもちろん、鬼無里駅までが施工認可済み、鬼無里-白馬間が免許取得済みとなっています。実現しなかったとはいえ、長野-鬼無里-白馬が鉄道路線として路線図に載っているのは夢のある話です。

ほかにも越美北線と越美南線がしれっとつながっていたりと、全国各地に面白いポイントがたくさんあります。ロマンのある路線図読み物としてとてもおすすめです。

国会図書館デジタルコレクションの効率の良い検索

膨大な資料があるのでとても興味深い国会図書館デジタルコレクションなのですが、資料の数が多すぎて面白そうな資料が探しにくいというありがたい悩みがあります。

最近資料検索の方法を色々と工夫しているのでまとめておこうと思います。Web検索に検索ノウハウ的なものがあるのと同じように、図書館での資料検索にも独特の技法があるように感じています。

検索する項目を指定する

資料を検索する項目として以下の3つがあります。

  • 書誌情報
  • 資料の本文
  • 資料の目次

書誌情報というのはその資料のメタデータ的なもののようです。資料の中身を示す情報なので、キーワードがこの項目に含まれているものはかなり目当てのものに近いと言えます。

資料の本文は読んで字の如く、資料を全文検索してヒットするかどうかです。広範囲な検索ができる一方で、その分ノイズも増えることになります。

資料の目次はその資料に目次情報がある場合にそこにキーワードが含まれているか否かです。書誌情報にキーワードがなくても資料の目次の見出しに含まれているのであれば、知りたい情報が一定程度含まれていると言えると思います。

まずは書誌情報と資料の目次に絞って検索をしてみて、それらをチェックし終わったら資料の本文でも検索してみるという使い方が良いのではないかと思います。

NDC分類を使う

図書館特有のテクニックとしてNDC分類(日本十進分類法)を使うという方法があります。図書館の本には背にラベルが貼付されていますが、あれに書いてある番号のことです。

私はよく国会図書館デジタルコレクションで地域の情報や鉄道路線の情報を検索しますが、例えば”小布施町”というキーワードのみで検索すると膨大な資料がヒットします。

そんな中で調べたい資料の内容が民話や習慣などの民俗学的な内容と決まっている場合は 3 社会科学 のカテゴリーに含まれる 38 風俗習慣・民俗学・民族学 に絞ればおおよそ絞り込み完了となります。

NDC分類にはさらに下のカテゴリーもあるので、もっと絞り込んで 386 年中行事、祭礼 で絞る等すればかなり資料の解像度は高くなってきます。

後述しますが国会図書館の資料には年報類や要覧類も相当数含まれていて、検索の際に大量に出てくるのでそれらを表示させないのに便利な方法です。

NOT検索を使う

国会図書館デジタルコレクションではWeb検索のようなNOT検索もできるので、うまく使うと効率の良い検索ができます。

先に述べましたが資料の中には年報や要覧が非常に多く、そのまま検索すると商工名鑑や人名録などが多数ヒットします。これらの資料が調査の対象でない場合はキーワードの段階でNOT検索に入れてヒットしないようにしてしまうと結果が見やすくなります。

記法が独特で、「[検索キーワード] NOT [除外したいキーワード]」という書き方になります。

長野電鉄について調べたいが、年報類は除外したい

長野電鉄 NOT 年報

これだけでも結果を2/3くらいに圧縮することができます。

また、複数設定することもできます。

長野電鉄について調べたいが、年報と人名録は除外したい

長野電鉄 NOT 年報 NOT 人名録

こんな感じで大丈夫です。

この方法はかなり検索結果を圧縮できるのですが、副作用としては全文検索でのNOT検索になるので、本文中に「昭和○○年陸運年報より引用」という文字列を含む資料があった場合は検索結果に出なくなります。

そのため、NOT検索に使うキーワードはあまり一般的な単語にしない方が良いと思います。

まずは大ざっぱにNOT検索で興味深い資料を探ってみて、自分の見たい資料がNDC分類のどこにあることが多いかを把握していくと調べ物の効率が良くなると思います。