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【国会図書館】長野県史 美術建築資料編 全一巻(二) 建築

国会図書館デジタルコレクションには膨大な数の資料がありますが、文字中心の資料は面白いかどうかが判明するまでにある程度読み解く必要があります。

図版中心の書籍や子ども向けの書籍は割と短時間で面白いかどうかが分かるので、最近は写真集的なものを中心に資料を探しています。

今回は長野駅の先代駅舎の情報を探している時に、長野県の有名な建築物を収集した図録のような資料を発見しました。

長野県史 美術建築資料編 全一巻(二) 建築

[国立国会図書館・閲覧には要登録]

善光寺や松本城といった歴史的な建築物はもちろん、学校や企業の社屋などの近代の建築物も網羅されています。仏閣のような見た目で有名だったという長野駅の先代駅舎も掲載されています。

掲載されているのは1990年時点で現存していた建物ということなので、まだ現存しているものもあると思います。建築めぐりのガイドブック的にも使えそうな資料だと思います。

【国会図書館】長野市都市計画図 街路・地域・公園・飛行場

国会図書館デジタルコレクションで発見した面白い書籍の紹介です。

今回は書籍といっても地図で、1938年に長野市が刊行した長野市都市計画図です。都市計画図は現在も多くの市町村で定期的に刊行されています。

長野都市計畫圖 街路・地域・公園・飛行場

[国立国会図書館・閲覧には要登録]

長野市の地図なのですが、1938年当時の長野市なので現在に比べると市域は非常に狭いです。それぞれ北端は現在の浅川東条付近、東端はJR北長野駅付近、南端は犀川、西端は裾花川というところです。

タイトルにある飛行場という表記がさっそく気になりますが、これは現在の長野市川井新田付近にかつて長野飛行場という飛行場があったことによるものです。現在も石碑が残っているそうです。時節柄を反映してか、場所については大ざっぱに示してあるものの構造物等は図化されていません。

その他の面白いポイント

  • 当時から意外と変わっていない幹線道路の線形
  • 列車工場併設の国鉄長野駅
  • 裾花川沿いに健在の善光寺白馬電鉄の線路
  • 現在と違い県庁の北にある刑務所
  • 犀川沿いにある広大な”鐘ヶ淵紡績工場”(旧カネボウの工場)

縮尺が1/10,000なので個別の建物も細かく図化されていて、見ているとまだまだ発見がありそうです。正味8ページですぐに見られるのでおすすめの資料です。

国立国会図書館デジタルコレクションがリニューアル

12/21付けで国立国会図書館デジタルコレクションがリニューアルしました。

2022年12月21日 「国立国会図書館デジタルコレクション」をリニューアルしました

[国立国会図書館Webサイト]

今回のリニューアルで全文検索可能な資料が約5万→約247万に大幅に増加したほか、Web検索などで良くある画像による検索も可能になりました。

全文検索は検索結果から資料の該当部分に直接飛ぶことができるので、調べたいキーワードが明確な場合に威力を発揮します。かなり効率良く調べ物ができるようになっていると思います。

ページそのもののUIも見直され、全体的に操作がしやすくなっていると思います。

今年度の国会図書館の予算案を見るとこの国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信サービスの拡充には約9,200万円が計上されているということです。もちろん決して安くはない金額ですが、個人送信サービスの開始と今回のリニューアルのことを考えるとなかなかに価値ある予算の使い方だと感じます。

【国会図書館】(長野電鉄)四十年のあゆみ

国会図書館の”個人向けデジタル化資料送信サービス”で長野県に関する面白い情報が掲載されている本がないかを調べています。

最近見た中では1960年に長野電鉄から発行された”四十年のあゆみ”という本が非常に興味深い内容でした。

四十年のあゆみ

[国立国会図書館・閲覧には要登録]

この本はいわゆる社史で、長野電鉄の創業以来からの記録がていねいにまとめられています。

長野電鉄の歴史に関しては長野電鉄百年探訪という素晴らしい本がありますが、この本は鉄道事業の記述が主となっています。こちらの1960年の社史は自動車事業や観光事業など、グループ全体の事業展開の様子も詳しく掲載されているのが特徴です。

また貴重な写真の掲載も多く、昔の駅の写真やトンネル・橋りょうの工事写真などが確認できます。

車両や設備についてもスペックを含めて細かく列挙されており、中でも鉄道車両については新造や授受・譲渡・改造に至るまで詳細な年譜が掲載されています。データ好きな方が見ても楽しめるのではないかと思います。

全体を通してみると情報量の多さが際立つ本です。本文中にも配慮した旨の記載がありましたが文字ではなく写真や表・グラフによる説明が多く、分かりやすくなっています。公共交通が好きな方にはかなりオススメできる本です。