関西方面の鉄道旅行(2)

妙見口駅へ

日生中央駅を後にして分岐駅の山下駅に戻ってきました。能勢電鉄は元々川西能勢口から山下駅を経由して妙見口駅に至る路線だったそうですが、沿線開発の過程で新線として山下駅-日生中央駅間が1978年に開業したそうです。

そのため、能勢電鉄の元々の本線(?)はこの妙見口方面に向かう路線だったということです。

山下駅から妙見口方面を見た様子です。住宅地が急に山の中に変化するような雰囲気です。山下駅から先にも新興住宅地は広がっているのですが、徐々に中山間地のような雰囲気になっていき、特に最後のときわ台駅-妙見口駅間は完全に里山の風景になります。

妙見口駅

妙見口駅に到着しました。改札には大阪府最北端の駅という標柱が建っています。この妙見口駅から20分程度歩くと妙見山という山の麓に到着します。この妙見山の頂上付近に能勢妙見山という山寺があり、このお寺が北極星をシンボルとする妙見菩薩信仰で崇敬されているということです。

伊勢神宮や善光寺など日本の伝統的なレジャーといえば神社仏閣詣でですが、この妙見山も例外でなく、妙見山への参拝客輸送のために開業したのがこの能勢電鉄だということです。

妙見山は大阪近郊の手軽なハイキングの山としても著名で、2023年までは能勢電鉄が妙見山でケーブルカー・リフト・バーベキュー場などを運営していたということです。

早速駅前から歩いて行きます。能勢電鉄のYoutubeでハイキング案内動画を見ておいたので道順はなんとなくわかりました。

妙見口駅前からケーブルカーの黒川駅跡までは標高差が60mくらいあるので、距離にして1.5kmくらいですが歩いて行くのは思ったよりも大変です。

歩いて行くうちに大阪府を出て兵庫県に入ります。

ケーブルカーの黒川駅跡に到着しました。ケーブルカーは営業を終了してしまいましたが、このケーブルカー駅の脇から登山道が始まるので、自動販売機や公衆トイレは現役です。

ちょうど桜の時期に訪問しましたが、ケーブルカーの路線沿いに桜並木が整備されています。春にケーブルカーに乗ると桜が楽しめたのではないかと思います。

ケーブルカーの車両は今でも駅に留め置かれていました。

能勢電鉄の新車

川西能勢口方面に戻るまでの列車を待つ間に駅周辺を探検しました。線路を見ていると能勢電鉄の新車である7200系が走ってきました。

この7200系は元阪急の7000系で、山下駅と妙見口駅間の折り返し運用のために2両編成が2本導入されているそうです。それぞれ専用のラッピングが施されており、写真の7210編成は”茜音(あかね)”という愛称がついています。

平野駅へ

続けて妙見口駅から能勢電鉄の車両基地がある平野駅へ向かいました。

平野駅から北へ600m位離れた場所に三ツ矢サイダー発祥の地があります。当地でくみ上げられた平野水を加工して三ツ矢サイダーとして出荷されたのが元々の姿だったそうです。

大正天皇の皇太子時代にはいわゆる”御料品”としての指定を受け、三ツ矢サイダーが宮内庁御用達の飲み物となります。そのため専用の工場がこの場所に建設されています。この建物は現在も残っていますが、建物付近に近寄ることはできません。

平野駅には能勢電鉄の車両基地のほか、駅近傍には能勢電鉄の本社社屋も立地しています。

短いながら変化に富んだ楽しい路線

Youtubeで興味がわいて実際に訪問しましたが、乗ってみると都会の雰囲気のある川西能勢口から住宅地地帯を抜け、ニュータウンである日生中央と里山風景の妙見口に至るという様々な沿線表情のある路線に感じました。しかも全線乗っても30分程度なので、わずかな時間の間にこれだけの変化があるのは特徴的だと思います。

路線に標高差があるのも特徴で、川西能勢口(約27m)から妙見口(約188m)までは160m近い標高差になっています。線路延長は12kmくらいらしいので、大ざっぱに平均すると全線に1パーミル近い上り勾配がついていることになります。力感のある登りも見所ではないかと思います。

また、日中でも常に10分間隔で運転しているのでいろいろと予定を組みやすいのもメリットです。本数の少ない路線を訪問すると列車ダイヤに合わせて行動予定を組まないといけないので、現地滞在時間が非常に短くなってしまったり、または1路線乗るだけで丸一日使い切ってしまうこともあります。この点、能勢電鉄は基本的に待っていればそのうち電車が来る感じなので、駅周辺の探検も何も気にせずゆっくりと行えます。

運転士の方々の技量も卓越したものがあり、ショックの少ない運転操作は1回乗ってみる価値ありと感じました。

川西能勢口に戻ってからは大阪中心部を経て、奈良方面へと向かいます。

(続きます)

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