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自転車シーズン終わりの見極め

いよいよ長野県北部も寒さが本格的になってきて、記録としては初雪も観測されました。単に気温が低いのであれば色々と対策をして自転車に乗るところですが、長野県の場合路面が降雪や路面凍結があるので適当なところで切り上げて2月中旬くらいまではシーズンオフとしています。

何か科学的な根拠があるわけではないのですが、周辺アメダスで日平均気温が2℃前後になり始めるとそろそろシーズン終わりというのを目安にしています。そんなわけで、この時期はアメダスのデータに注目をしています。

直近3年分のアメダスデータを集計してみました。

[気象庁アメダスデータを元にhebodj.netが作成]

こうしてみると例年の傾向は大体同じで、12月の第1週くらいがシーズン最終回と見ておけば良さそうな感じです。年によってはもう少し早まることもあります。

感覚で判断してしまうとどうしても無理して乗りたくなりがちなので、一応こういった判断基準を設けて安全第一でシーズンを終えるようにしています。

百合居橋の架け替え工事

先日栄村方面に出かけたところ、大規模に橋の架け替え工事を行っていました。

対象となる橋は百合居橋という橋で、路線としては県道408号に所属しています。この橋は栄村内の千曲川右岸側地域と左岸側の地域を結んでいる重要な橋です。2011年の栄村地震の際に被災し、右岸側集落が一時孤立するという事態になったそうです。

その時の被害状況を踏まえて百合居橋はより強靱な物に架け替え、また県道408号については不通区間を整備して、右岸側のバイパスルートとして利用できるようにしたという経緯があるそうです。

県道408号共々まだ様子が変わってきそうなので、定期的に訪問してみたい地点です。

長野県道86号(七二会支所-国道19号)

前から存在自体は知っていて気になっていた長野県道86号の表題区間を走行してみました。犀川沿いの区間から長野市七二会支所に向かう道で、成り立ち自体は非常に古い道路と聞いています。

現在七二会支所に向かう場合は整備されたバイパスが存在するため今回紹介する県道はあまり使われていないようです。

登りで通行した場合どうなるか分からなかったので上の地図の通り七二会支所からの下りで走行してみました。

七二会支所の前です。昔あった旧支所の建物はなくなり、駐車場となっていました。新しい支所は道路を挟んで反対側に建っています。

この案内板で言うと大安寺・笹平方面が県道86号、瀬脇・R19方面がバイパスです。R19方面に行きたい場合はバイパスが案内されていることからも、現在はバイパスの方がメインルートであることがうかがえます。

塩フジバカマ園というのは大陸間移動をすることで知られるアサギマダラの観察ができる名所ということです。

こちらがバイパス方面です。何度か登り下りしていますが、片側1車線分がしっかりある立派な道路です。

こちらが県道86号で、おおよそ県道とは思えない規格となっています。

路線は全体的に急勾配で、おおよそ7%以上はありそうな印象を受けました。幅員も狭い区間がほとんどで、自動車同士のすれ違いは場所によっては困難そうです。

沿線にはあまり人家はなく、七二会支所から少し下ったところからはこのような山道が続きます。途中に土砂災害を修復した後も何ヶ所かありました。通行止めが多そうな印象です。

犀川の近くまで下ってくると人家も増えてきて、写真のように畑なども目立つようになってきます。

最後に県道31号(大町街道旧道)に合流します。路線としての県道86号はしばらく県道31号・国道19号と重複して茶臼山を越え、篠ノ井方面に向かいます。

興味深い路線ではありましたが、現状非常に便利なバイパス路線がある関係であえて走行しなくても良いルートという印象を受けました。特に幅員が狭いので、他の乗り物とのすれ違いが発生することを考えると落ち着いて走れなさそうに思います。通行止めが多そうなのでルートに組み込む際は規制がかかっていないかチェックすると良いと思います。

長野県道441号(穂高松本塩尻自転車道線)

先日松本方面に出かけた際に、サイクルコンピューターにおまかせした適当なルートの中に大規模自転車道が組み込まれていました。

表題にあるとおり穂高松本塩尻自転車道線という名称で、安曇野市から塩尻市に至る全長40km近い自転車道です。行政的には穂高松本塩尻自転車道線という名称ですが、通称として”あずみ野やまびこ自転車道”という名前がついています。

現道として完成しているのは安曇野市内の拾ヶ堰という用水路沿いの区間で、松本市内と塩尻市内の区間について部分的に自転車道が存在するという状況のようです。

今回は奈良井川沿いの二子橋から神戸橋の区間を走行することができました。

この区間は堤防沿いの車道に並行するような形で自転車道が設置されていました。自転車道部分と車道の間には縁石があるので、物理的に区画ができています。自転車道部分の舗装は概ね平滑でしたが、定期的にギャップがあります。

それほど幅員があるわけではないですが、車道と物理的に区画されているという点は安心できます。

ここ最近松本方面に何度か出かけましたが、松本盆地の東側は市街地かつ道路が混雑していることもあり、あまり自転車での走行には向かない印象を受けました。西側を南北に走っている県道25号(山麓線)が地元のサイクリストの方に人気なのも納得できます。

東側にも南北ルートがあると便利なのですが、その点ではこの県道441号は可能性のあるルートに思えます。計画路線では梓川と奈良井川の合流点(ラーラ松本付近)から奈良井川沿いに走行できるルートとなっているので、松本駅へのアクセスも良く、輪行サイクリングなどにも便利そうです。

ここ数年で千曲川サイクリングロードは舗装の打ち替えも含めてかなり整備が進んだので、松本方面の大規模自転車道も整備が進むことを期待したいです。

長野市小田切から

ちょっと時間があったので長野駅から西側にある小田切という地域に自転車で出かけました。この地域はもともと小田切村という単独の自治体だったそうですが、1954年に長野市と合併し、それ以来長野市小田切という地名になっています。

長野市の中心市街地から道なりに10km少々と近いのですが、かなり急な山なので一気に中山間地の雰囲気となります。長野市の中心部は標高350mくらいですが、小田切周辺は800m近いところもあります。

そんなわけで長野駅方面から登ってくる場合は基本的にどのルートを採用しても結構急勾配の登坂が待ち構えていることになるので、短いながらも手応えのある登りが楽しめます。

山が急峻なだけあって南方向の見通しは非常によく、登り切ると写真のような眺望が楽しめます。

松本市のAIオンデマンドバス

先日自転車で松本方面に出かけたときに妙にバス停が多く感じましたが、私がバス停と認識していたのは民間の路線バスではなく、市が実施しているAIオンデマンドバスのバス停でした。”のるーと松本”という愛称がついているそうです。

普通のオンデマンドバスとの違いは、普通のオンデマンドバスが所定のルートを予約があったとき限定で運行するのに対し、AIオンデマンドバスは需要に応じてルートを適宜組み換えて運行される仕組みなのだそうです。

Youtubeで松本市が公式の紹介を詳しくしてくれていました。

確かに、これであればその日の需要に応じて最短ルートでバスが運行されるので、正味の乗車時間が短縮できそうです。もちろん予約の状況や入るタイミングによっては遠回りになる恐れもあるんだとは思いますが、基本的には予約が殺到するような性質のものでもないと思われるので、利用者側に得な方向に振れるのではないかと思います。

特に印象に残ったのはこちらのバス停で、元々の旧松本電鉄バスの上橋バス停がスクール専用になり、現在はAIオンデマンドバス乗り場になっているというものです。AIオンデマンドバスのバス停名が”バス停跡”なのも面白いと思います。

長野電鉄サイクルトレイン(2024年度版)を利用

2023年の10月に実証実験として実施されていた長野電鉄のサイクルトレインを利用しました。2024年になり、サイクルトレインが正式に運用開始となったため利用してみました。

予約の仕組み

実証実験時と大きく異なるのは予約の方法です。実証実験時には専用のアプリから予約をする方式でしたが、2024年度版では長野電鉄のWebサイトから予約する方式になっています。長野電鉄の特急列車などを予約する方法と同様です。

Webサイトのアカウントも共通なので、既に長野電鉄Webサイトのアカウントを持っている方であれば簡単に予約ができます。もちろんアカウントなしでも予約可能です。支払いはクレジットカードで行います。

予約が完了するとPDF形式の乗車証がダウンロードできるので、これをスマートフォン等で表示するか、または紙に印刷して提示すると乗車できるという仕組みになっています。

注意が必要なのは予約の受付期間です。実証実験時には当日発車寸前まで予約が可能でしたが、2024年度版の予約は前日24時までとなっています。当日での予約も一応可能ですが、その場合は長野電鉄の問い合わせ窓口に電話して予約することになります。

実際の乗車

今回は長野駅から信州中野駅まで乗車してみることにしました。長野電鉄の長野駅は地下にありますが、地上からエレベーターやスロープつきの階段で駅にアクセスできるのでこの点は心配要りません。

早朝の長野駅です。

長野駅での改札ではスマートフォンで乗車証を提示しました。帰りの切符は予約済みかを確認されましたが、帰りは自走するので大丈夫と伝えました。長野駅の場合改札からプラットホームまでも1階分くらいの高低差がありますが、エレベーターがあるのでこれを使います。エレベーターでは対角線上に車体を置き、ハンドルを大きめに切ればそのまま乗せられます。

長野電鉄8500系のT2編成でした。サイクルトレインの場合は先頭車両または2両目の車椅子用スペースを利用することになるので、先頭車両に乗りました。

信州中野方面の始発列車(6:15発)だったのであまり人は乗っていませんでした。ロングシートに座らせてもらい、乗車中は自転車を進行方向に向けて手で支えるという方法で約45分乗車しました。45分乗っていると結構自転車を支えるのが重労働に感じました。

というわけで無事に信州中野駅に到着しました。信州中野駅でも改札で乗車証を提示しました。駅係員の方は「へえ~こんな感じなんですね~、信州中野で降りられる方があまりいないみたいで…(笑)」と仰っていました。サイクルトレインを利用される方は湯田中まで乗車する場合が多いのかもしれません。

その後親切にエレベーターの場所などもご案内いただき、和やかな感じで降車時の改札を終えて出発となりました。

利用してみて

実証実験時と予約のシステムが変わっていますが、特急列車等も含めて一貫したシステムでの取り扱いになっているので分かりやすくなっていると思います。予約や決済に至るまでのユーザー体験も便利でなかなか良かったと思います。

輪行袋を使う輪行に対して、サイクルトレインは何と言っても荷物が少なくて済むのがとても楽です。通常の輪行の場合、装備にもよりますが輪行袋とスプロケットカバー、エンド金具等で1リットル弱ほどの収納容積が必要です。そうなってくるとサドルバッグも大きい物にならざるを得ず、必然的に荷物がどんどん増えていきます。

一方でサイクルトレインの場合は通常のサイクリング時と同様か、万全を期す場合でもクリートカバーがあればまず問題ないというところなのでほとんど荷物は増えません。これは非常に大きいアドバンテージなのではないかと思います。

前日までの予約となったので帰路の利用は少々難しくなった感はありますが、行きに使う分には非常に便利だと思いました。またお世話になることもあろうかと思います。

日出塩駅前公衆トイレ

JR中央西線の日出塩駅前にある公衆トイレです。建物=個室のコンパクトなトイレですがきれいです。

男女別X
小便器X
個室洋式1
多目的

日出塩駅はご覧の通り改札もない無人の駅ですが、このトイレの存在はありがたいです。

名古屋行きのホームには木造の古そうな待合室があるのが気になりました。現在でも利用可能なのでしょうか。

旧片平橋

木曽方面の国道19号旧道を自転車で走っているときに偶然発見した土木遺産です。

上の写真では大きく写っていますが、これは現道から6倍ズームくらいで撮影しています。道路を走行中に見える姿はかなり小さいものです。

この片平橋はかつての国道19号だったそうで、今でも橋の近くまで行くことはできます。

橋自体はしっかりしたもののようですが、竣工は1935年ということで非常に古いものです。そのため現在は歩行者も含めて立ち入り禁止となっています。

コンクリート製のアーチ橋で、アーチ部分から垂直に柱が伸びて床板を支える方式となっています。このように横から見てアーチと床板の間に空間があるものを開腹アーチというそうです。

橋自体も美しい形だと思いましたが、廃道化して苔むした様子もまた趣があると感じました。

中山道と善光寺街道の分岐点

中央西線の洗馬駅付近に中山道と善光寺街道の分岐点があります。”分去れ(わかされ)”というそうです。

こちらが現在の車道の分岐点で、実際に右方向に進むと国道19号に合流して塩尻方面へ、左方向に進むと県道294号で広丘駅方面に向かいます。善光寺街道を進んだ場合塩尻市街地は経由しません。

1枚目の写真の分岐点を左方向に進むと、古道の分岐点もまだ残っています。江戸時代末期の物という常夜灯もまだあります。

古道の分岐点については中山道方面は歩行者でないと通り抜けできません。

この洗馬宿を最後に松本や善光寺方面に向かう人と、諏訪や場合によっては江戸方向に向かう人が分かれていったと思うと地理的には非常に重要なスポットと感じます。

一区切りつくような場所ではあるのですが、ここから長野市まではまだ80kmほどの道のりで、しかも聖高原の山越えがあるので昔の旅人は大変だっただろうと思います。