AMD」カテゴリーアーカイブ

KaveriのcTDP機能

あんまり大きく取り上げられる機能ではありませんでしたが、Kaveriにはユーザ側でTDPを設定できる”Configurable TDP”という機能があります。
インプレスのAKIBA PC Hotline!に詳細なレポートが掲載されていました。

KaveriのTDP設定機能「Configurable TDP」を試す
[AKIBA PC Hotline!]

記事を見てみるとデフォルトの95Wから45WにTDPを変更することで、明らかに発熱と消費電力を削減できるようです。
性能ももちろん低下してしまいますが、ワットパフォーマンス自体は良くなる傾向があるという点は注目です。

対応するマザーボードを選択する必要はありますが、マザーボードの設定ひとつで簡単にTDPを変更できるので、単に”TDP95WのAPU”という枠に留まらず用途は色々考えられるのではないでしょうか。
夏だけTDP控えめ…とかそういった運用なんかもすぐにできてしまうので自作のアイデアが広がるいい機能だと思います。

Steamrollerコアの改良ポイントが明らかに

既にKaveriに搭載されて実際に製品としてリリースされていますが、どこかどう変わったのか、という気になる情報がカンファレンスで発表になったそうです。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース AMDがISSCCでSteamrollerコアの概要を発表
[PC Watch]

BulldozerコアがPiledriverコアにアップデートされた時には、改良点は主に命令発行の効率などの細かい部分が中心で、アーキテクチャに大きな変更はなかったように記憶しているのですが、今回は違うようです。
Bulldozerコアではスレッド間で共有しているリソースがボトルネックになっているという話がありましたが、命令デコーダが2個に増設されているそうです。

その他、プロセスルールが32nm→28nmに微細化している点、パワーゲーティングがより細かく行えるようになった点などが触れられています。

Radeon R7シリーズが拡充

ここしばらくでR7シリーズのラインナップが一気に増えました。

昨日発表になっていたのがR7シリーズでは最上位グレードとなる R7 265です。

AMD、149ドルのRadeon R7シリーズ最上位「265」
[PC Watch]

これでR7シリーズは 265>260X>260>250>240 と5種類のラインナップになったことになります。
ずいぶん細かくなりましたが、R9世代・R7世代では

・数字の大きい方が強い
・数字が同じであった場合、Xがついてるほうが強い

という基準でグレード分けがされているのでこの基準に沿って考えればわかりやすいのではないかと思います。
今までの4桁数字と異なり、2xx(X)という末尾2桁が違うだけなので、以前よりグレード差がわかりやすくなっているように感じます。

R9シリーズも含めると全体で10グレードになったので、ラインナップ的にはこれで勢揃いに近い状態かな、というところです。

Catalyst14.1 betaがリリース

1月中リリース予定だったところが遅れる見込みという話がありましたが、なんだかんだで2/1付けでのリリースになりました。

AMD、Mantle対応ドライバ「Catalyst 14.1 Beta」をリリース ~Radeon HD 7000シリーズも対応可能
[PC Watch]

AMD Catalyst™ 14.1, a must-have driver for gamers!
[AMD Gaming blog]

変更点として何より大きいのはMantle対応ですが、GCNベースのGPUが搭載されていればHD7000系統でも対応できるそうです。

また、Crossfire構成時に等間隔でスムーズな描画を行うFramePacingもアップデートされているとのことです。

ところで、Catalyst14.1betaのインストーラはうちの環境(Windows8.1)で実行しようとするとSmartScreenのチェックに引っかかって
“WindowsによってPCが保護されました Windows SmartScreenは認識されないアプリの起動を停止しました。このアプリを実行すると、PCに問題が起こる可能性があります。”
というエラーメッセージが出て止まってしまいました。
140204_01
インストーラのプロパティを開いて”セキュリティ:ブロックの解除”を行えば実行できるようになります。
140204_02

Mantle対応版Catalystは2月以降に延期

Mantleに対応したドライバのリリースですが遅れているようです。

Mantle対応版Catalystは2月以降に延期
[PC Watch]

もうデモができるレベルではあったので納得できるところまで煮詰めているだけだと思いたいのですがちょっと心配ですね。
BF4はやっていませんが、リリースから間もないGPUを積んでいる関係上ドライバの更新は大いに楽しみです。

ところでドライバのナンバリングは[年数].[月数]だったと思うのですが、2月に出た場合でも14.1として出るのでしょうか。
小さなことですがちょっと気になります。

Kaveriの情報いろいろ

今日は様々な形でKaveri関連のニュースが出ていました。

アーキテクチャを刷新した「A10-7850K」ベンチマークレポート

日本AMD、内蔵GPUとの協調性を向上させた新世代APU「Kaveri」を解説 ~新Catalystではビデオのマッハバンドを消す機能や高速JPEGデコーダを搭載
[PC Watch]

A10-7850KのベンチマークスコアはCPU性能だけ見ると今一つですが、GPUも込みの性能で見ればなかなかと思わされる部分もあります。
CPU性能ではA10-6800Kを下回っているというのがちょっと驚きのポイントです。

それもそのはずで、日本AMDの解説についての記事内にあるダイの絵を見るとGPUが占めている面積が非常に大きく、GPUを重視した設計であることが良くわかります。
どちらかというとCPU付きGPUと言った方が的確かもしれません。

ディスクリートのGPUを追加した場合何か目立ったメリットがあるのか?という点が気になっていましたが、記事内のスライドを見るとR9 270X搭載時にはi5-4670kと同等のパフォーマンスを発揮できるとの記載があります。こういったシステム構成も意識されているようです。

また、ディスクリートのGPUを搭載した際に、APU内のGPUとディスクリートのGPUを協調動作させることも可能との情報も掲載されています。
これは恐らくプログラム次第という話ではあると思いますが、一昔前に出た物理演算チップ搭載カードのようにAPU内のGPUに物理演算を丸ごと引き受けてもらい、ディスクリートのGPUパフォーマンスは損なわずに描画を行うという感じになっているんだと思います。

ハードウェアとしてはなかなか素晴らしいものが出てきた印象です。
後はもう何度も言われていることですがAPUのメリットが生きるプログラムを頑張って欲しいですね。

Kaveriとうとうリリース

予定通り1/14に発売となりました。

AMD、Kaveriこと「A10-7850K」、「A10-7700K」を発売
[PC Watch]

価格は上位の7850Kが約2.2万円、下位の7700Kが約2.0万円というところです。
このエントリを書いている時点ではIT系ニュース各社ともベンチマークの情報が掲載された記事を公開していないようです。

関連してですが、対応BIOSの情報がPC Watchにまとまっていました。

主要マザーボードベンダーのAMD A10-7850K/7700K対応状況 ~GIGABYTEはBIOSアップデートにはAPUの従来モデルが必要
[PC Watch]

新しいCPUが出た時のBIOS対応というのは結構難儀するもので、うちでも過去にCPU交換時に対応BIOSを間違えてCPUが超低クロックで固定されてしまったことがあります。

CPU交換の顛末
[hebodj.net](09年のエントリなせいか、文体が自分で見ても違和感ありますね)

この時はクロックに異常があったもののPCそのものは動作したのでBIOSがアップデートできたのですが、
パーツを一式買ってきてさあ組むかという時にマザーボードのBIOSが古いままだと古いCPUを別途買ってこない限り起動せず、何もできなくなるという危険もあります。
最近は店頭在庫もすぐに新BIOS版になるのでそうそうこういったトラブルはないと思いますが、BIOSの新CPU対応状況は要注意です。

DockPortは元Lightning Bolt規格

CESのおかげで毎日AMD関連の情報が入ってきてありがたいことです。

【AMDブース編】モバイル向けRadeon R9/R7/R5 M200とMantle対応Catalyst 14.1 ~VESAが策定したDockPortの意外な正体とは
[PC Watch]

Mantle対応Catalystの話題なども興味深いですが記事最後のDockportの話題が特に面白いです。
VESAが策定したDockPortは元々AMDが提唱していたLightning Bolt規格がベースになっているんだそうです。

当blogでもチラッと触れています。
Lightning boltのデモ
[hebodj.net]

その後情報はアップデートされていなかったのでDTXのような謎の規格になってしまったのかと思いきや、なんと標準化団体に採用してもらえるという面白い展開になりました。
発表当時とはまた規格を取り巻く事情が少し変わって、超小型デスクトップの進化やドッキングベースの需要が高まりつつあるというところが大きかったんでしょうかね。

BlueStacksはKaveriに最適化

BlueStacksというのはAndoroid仮想マシンをWindows上で走らせるアプリケーションで、以前よりAMDと協業する形でAPUへの最適化に取り組んでいたように思います。
そのBlueStacksは間もなくリリースされるKaveriにもしっかり最適化されているそうです。

WindowsでAndroidアプリが使える「BlueStacks」が第4世代APUに最適化
[ITmedia]

しかしながら正直Windows上でAndroid仮想マシン動かしてどうするんだろうという疑問も持っていました。
今日次の記事を読んだ時にちょっと納得しました。

インテルとAMD、「Windows」「Android」搭載機でそれぞれ取り組み
[CNET Japan]

要は今日においてはかなり多数のユーザが日常的なタスクをAndroidデバイスで済ませているので、WindowsPCを使う場合でも日常的なタスクは使い慣れたBlueStacks上のAndroidでこなしてもらう、
そしてWindows本体は”どうしてもWindowsでないとできないタスク用”に使用する…という利用イメージがあるそうです。

わしは相変わらず何でもかんでもWindowsの入ったデスクトップPCで作業をしてしまう人なので本当にそんなこと起こり得るかな?という気もしますが、一定の説得力はある話だと思います。
液晶がマルチタッチ対応していれば意外にModernUIよりもAndroid仮想マシンの方が何かと効率がいいかもしれません。

Mantle版BF4の性能向上は45%

12月中に「1桁%ではない」との情報がもたらされていたMantle版BF4の性能向上率ですが、なんと現時点で45%なんだそうです。

AMD、Mantle版「Battlefield 4」の性能向上は45%と公表 ~「Mullins」を搭載したタブレットを新しいコンセプトデザインで紹介
[PC Watch]

1桁ではないという言い方をしていたのでこりゃ12%くらいだろうなあ…と低めに期待していましたが驚きの情報でした。
MantleについてはEAのFROSTBITE3の他、さらに2つのゲームエンジンがサポートすることが発表されたそうです。
ユーザ側としてはMantle対応ゲームがもっと出てほしいというところですが、そもそも開発側が乗ってこないと普及も難しいわけで、こうやって徐々に仲間を増やしていってほしいところですね。

タブレット向けに開発中のMullinsを搭載したコンセプト機の展示も行われているようです。
以前も似たようなコンセプトモデルがありましたが、タブレットの左右にゲームコントローラが合体したような面白い形をしています。

今回はBF4の情報でしたが、Mantleによる最適化が他のゲームエンジン・ゲームタイトルでもこのくらいに達すると「タブレットなのにこんな派手なゲームが動く」というようなユーザ体験もそう遠くはないのかもしれません。
Mantle版BF4はまだ開発中とのことなのでまずはここから期待したいところです。