月別アーカイブ: 2025年9月

曇りの千曲川展望公園

暑いので登りの道中が日陰になる国道403号で聖高原方面に出かけました。

こちらは長野市や須坂市など北東方向の風景です。
こちらは正面の千曲市の風景です。

曇り空だと天気としてはあいにくにも感じますが、夏場は直射日光が遮られるのでありがたいです。帰宅後に写真を見て意外に思ったのは、夏場であっても曇りだとなんとなく視程が遠くまで見通せるということです。2023年の同時期に撮影した写真がありますが、こんな感じです。

晴れている日の写真だと遠くの山陰はかすんでしまっています。正確な理由は分からないのですが、日が照っていると地表周辺の水分が蒸発してもやのように見えてしまうのではないかと考えています。

【国会図書館】工政7月号(1927年刊・通巻92号)

国会図書館で廃レールのことを調べていたところ、輸入レールについて詳しい記述のある上記の雑誌を発見しました。

工政 (7月號)(92)

[国立国会図書館デジタルコレクション]

雑誌”工政”について

この工政という雑誌ですが、工政会という団体が発行しています。発足は1918年ということです。日本の工業を進歩させるために指導的立場の企業や技術者が参加していた会ということで、その広報誌として雑誌”工政”が発行されていたようです。

レール特集

表題の1927年7月号に”銘記に映ずる軌條商工史”という記事が掲載されています。19世紀末から20世紀初頭にかけて世界的に輸出入されたレールの製造元やその性質から、世界の鉄鋼史の一部を見てみるという趣旨の企画です。

執筆者は”麗流学人”という人物で、これはおそらくペンネームだと思います。「レールを学ぶ人」という意味の洒落で名前を決めたのではないかと思います。国会図書館デジタルコレクションの検索機能でも、この記事以外では名前が確認できませんでした。

記事の方は18ページにも及ぶ長いもので、世界に流通した主要なレールの刻印やその製造元、どのようにしていつ、どのくらい日本に輸入されたかが詳しく書いてあります。駅周辺で見つかる廃レールの刻印も、この記事の記述と照らし合わせれば出身地が詳しく分かるかもしれません。

他にも製造国の鉄鋼業事情やレールの成分組成についても触れられており、書いた方は実際どなたなのか分かりませんが、鉄鋼業界や鉄道業界に非常に明るい方なのではないかと思います。

広告ページも面白い

工業系の雑誌なので広告ページは有名な企業の広告が多数入っています。鉄道関係で言うと汽車製造や新潟鐵工所の広告を見つけました。銭高組など現代でも存続している老舗企業の広告もあります。

昔のテイストなのか、広告のキャッチコピーが「外国製に勝る○○」や「革命的製品なる○○」などと直球なのが面白いです。変わったものだと「敢えて専門各位のご批判を乞う」や「[製品名]を使用せられよ」といったものもありました。こういった当時の雰囲気が感じられる情報が見られるのも国会図書館デジタルコレクションの面白いところです。

日本の夏の平均気温偏差

9月1日付で気象庁が2025年の梅雨から夏にかけてが記録的な高温であった旨を発表していました。

2025年の梅雨入り・明け及び夏(6~8月)の記録的高温について

[気象庁ホームページ]

この中で暑さの評価に使用されているのが”基準値からの偏差”という指標です。気象庁が気象観測を始めてからの歴代のデータで気温変化のトレンドを算出し、その年の平均気温と比較することで、想定よりも気温が高いか低いかを評価しているようです。

2025年時点での日本の夏の平均気温のトレンドは100年で+1.38℃という値だそうです。しかし2025年の夏はそのトレンドのラインと比較して+2.5℃近い極端な値だったそうです。今のトレンドで行くと200年後の平均気温が突然現れたことになります。

日本の季節平均気温

[気象庁ホームページ]

2024年と2023年もトレンドに対して1.7から1.8℃くらいプラスなので、ここのところ3年間はデータの上でも明確に猛暑続きであることがわかります。

毎年の偏差もそれほどまとまっているわけではなく、年によって高かったり低かったりがあるようです。低い年で言えば2003年などは比較的涼しい夏だったようです。

冷夏でコメの収穫量が減り、タイ米が輸入されるに至った1993年の偏差はマイナス1.9℃近くとなっています。最近の事情を考えると涼しいに越したことはないように思いますが、平均気温としては明治時代の平均気温よりも低い値だったわけですから、コメの生産に影響が出たのも納得です。

このグラフは季節ごとに切り替えてみることもできるので、冬の値なども見てみると結構面白いです。

国土地理院が旧版地形図のデータ販売を開始

この2025年9月1日から旧版地形図のデータが簡単に入手できるようになったということです。

2万5千分1地形図(旧版)及び5万分1地形図(旧版)データ

[国土地理院ウェブサイト]

今までも地図・空中写真閲覧サービスで旧版地形図の高解像度データが参照できましたが、閲覧用データと同じスペックの600dpiの画像が販売開始となっています。

地図というのもどんどん変化のあるものなので、国土地理院の地図も定期的にアップデートがされています。例えば2万5千分の1地形図”長野”の場合だと、最新版は2015年に調製されたものですが、1972年の初版から数えるとバージョン9ということになっています。

1972年版をオンライン閲覧してみると、例えば長野電鉄の線路はまだ地上線として地図に表示されています。他にも国道18号長野バイパスは長野大橋以南が未開通など、パッと見でも随分違いがあることがわかります。600dpiという高精細なデータ提供になるので、細かく見ていくと色々と発見ができると思います。

こんな感じで旧版地形図は過去の土地利用などを調査できるので興味深いものなのですが、従来は購入のための手続きが煩雑で、事前の申請が必要だったり、代金の決済が収入印紙だったりと色々大変でした。今回のデータ販売は日本地図センターのオンライン販売にダイレクトに接続しているようなので購入が簡単になっています。