その2は聖高原駅からです。
聖高原駅→県道55号
聖高原駅からは国道403号をしばらく走ります。多少距離はありますが、篠ノ井線と並走する区間です。
篠ノ井線の線路と分かれるところです。左にカーブしていく線路がきれいです。
線路が見えなくなった後しばらく走り、右折すると県道55号です。
大町の表記が出てきました。珍しく青看板に制限重量2.0tの規制表示があります。また、左にサビサビですが高さ制限3.3mの看板もあります。
県道55号は静かな山あいの集落を結ぶ道という感じで、大好物のタイプです。こういう道は近場にはそうそうありません。
差切峡
大日堂を過ぎると道は一気に渓谷を縫うような山道に変わります。
筑北村と生坂村の境界付近なのですが、こういった雰囲気が標準になります。
天竜峡なんかに似ているかもしれません。自転車で走る分には楽しい道です。
このあたりは差切峡と言って名勝なのだそうです。温泉宿などもあります。道路を走っていると木々の合間から奇岩や紅葉も見えるのですが、あまり視界が開けたところがないのが難でしょうか。
ちょっと怖い素掘りのトンネルもあります。トンネル入口上部の落石を横に流すすべり台のアバウトさが面白いです。
そうこうしている間に差切峡を抜けて、川が湖状になります。差切峡の谷底を流れている麻績川はダムの多い犀川に合流するため、犀川手前で実質湖のようになります。
偶然にも水面が微動だにしない状態で写真が撮れました。肉眼で見たときは水はもうちょっと青みがかって見えたように思いますが、こちらの写真はそのままRAW現像しています。
犀川→八坂へ
そして制限重量2.0tの種明かしが最後にありました。よりにもよって国道19号に合流するところの橋に重量制限がかかっていました。
こちらの橋は山清路(さんせいじ)橋というそうです。こぎれいな橋に見えるのですが…?
なんと竣工は1931年。かなり歴史ある橋でした。修復しているとは言え、これは重量制限もやむなしかもしれません。
県道55号はわずかな区間国道19号と重複し、八坂方面への山道となります。この区間は平均勾配が7%ほどで、まあまあきついですが景色などを楽しみつつゆっくり登れます。
八坂への登りの入口です。落ち着いて登れる登り坂という感じです。
八坂は現在は大町市の一部となっていますが、2005年までは八坂村という村だったそうです。標高700m近い山の上に役場や学校などが固まっています。
鷹狩山
その八坂中心部の北西側に鷹狩山という山があります。とても景色がいいそうなので、今回の旅のメインの一つとして楽しみにしていました。
大町市の観光案内では、大町市街地から大町山岳博物館を経て、そのまま林道を登るルートが紹介されています。しかし、このルートは平均勾配10%以上の登り坂×3km以上で、とても登れたものではないと思われたので、今回は距離は長くなっても東側からゆっくり登ることにしました。
八坂から県道497号で北側に向かい、途中で林道に入ります。この林道が曲者で、3kmくらいですが平均勾配は9%以上あります。山岳博物館コースよりは楽でしたが、いずれにしてもきつかったのです。
実際のところ、自転車についている気泡管の勾配計では連続して13~14%を示すことが何度もありました。何とか止まらずに頂上手前の一般車駐車場まで行けましたが、とんでもない運動強度になってしまいました。泊まりの荷物があったとは言え、今までで最もきつい登坂だったかもしれません。
ただ、鷹狩山からの眺望はそれだけの価値があるもので、登ったかいがありました。鷹狩山は単純に山の頂上からでも眺望が良いのですが、その上で5階建てくらいの鉄骨の展望台があるのです。
展望台からの写真がこちらです。
こんな感じで、素晴らしい眺望が楽しめます。条件が良ければ、北アルプスの山々もバックに登場するということです。そういう意味では今回はコンディションがイマイチだったかもしれませんが、それでも素晴らしい眺めでした。