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DDR5メモリの初回起動時トレーニング

興味深い話題が窓の杜さんに掲載されていました。

PCの起動に最大15分 ~DDR5メモリの更新には“トレーニング”が必要になることがある

[窓の杜]

記事によるとDDR5メモリと特定のUEFIの組み合わせで、PC構築後の初回起動時にトレーニング処理が実行され、長い時間起動していないように見えることがあるそうです。

特にメモリの容量が多いときに時間が長くなるようで、最近はメモリの搭載量も増えてきているので遭遇する確率は高そうに感じます。

私は今回この事象を初めて知りましたが、私は長らく自作PCを組み立てているので良くも悪くも経験ベースで作業をしてしまいがちなところがあります。あまり甘く見ずに時々は最新のプラットフォームでどのように組み立てを行うべきなのか等の情報を仕入れておくことも重要だと感じました。

12cmファンをデイジーチェーン接続する

我が家のPCは12cmファン3つを使う360サイズのラジエーターで冷却をしています。

ファンの電源は今までマザーボードのCPU用のものから1基分、CPUオプションコネクタをY字分岐して2基分の合計3基でまかなっていたのですが、1つのコネクタから3基分取れた方が配線がすっきりすると思ったので部品を調達しました。

アイネックスのCA-100Aという商品です。まさに360サイズのラジエーター向けに作られたような製品で、PWMファン3基をデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続することができます。

一応制限事項としてマザーボードの電源コネクタ容量を上回らないことというのがあります。ファンについてはデータシートで消費電力が0.6Wということが分かりました。マザーボードの説明書にコネクタごとの出力は掲載されていませんでしたが、0.6Wx3であれば問題はないようです。

性能面が何か変わったというものではないですが、ケース内がちょっとすっきりしたので満足のいく小改造になりました。

ASUS Q-Fanのキャリブレーション

夏場のPC冷却設定の一環としてPCに搭載されているPWMファンのキャリブレーションをしてみました。

これはマザーボードのUEFI上で実行できるQ-Fanというファンコントロール用の機能からアクセスできます。自動最適化という名称で表示されます。実施するとマザーボードの方で自動的にファンをテスト動作させ、最低デューティ比を割り出してくれます。

最低デューティー比を現物にあわせて決定することにより、必要ないときにはファンを可能な限りの低回転まで落とすことができ、静音性が向上するというもののようです。

意図せず利用中にファンが止まって再始動しない場合や、交換したばかりのファンに関しては1回これで回転数下限を測定しておくと良さそうです。

Ryzen 5800Xを低電力運用する

気温が高くなってきたので最近流行っているというCPUの低電力運用を試験してみています。

設定にはWindows上で動作するRyzen Masterを使用します。Ryzen Master上で”ECO-Mode”に設定するだけなのでとても簡単です。これを設定することで105W動作のCPUであれば65WCPUとしての動作になるということです。

ちょっと注意が必要なのはUEFIの設定によってはECO-Modeが選択できないことがあることです。私のPCで使っているASUSのROG Strix X570-F Gamingでは”詳細”→”AMD Overclocking”→“AMD Overclocking”→“ECO Mode”と選択して、ECO ModeをEnableにすれば選択可能になりました。

このUEFIの設定に関してはマザーボードのメーカーごとに設定する項目や表示名が微妙に違うようです。

まだ1週間くらいしか動かしていませんが、確かに低クロックで動いているようですし、特に高負荷時はかなりセーブして動作をしているようです。夏限定で低電力運用してみてもいいかなと思っています。

EK-RES X3 110 + Alphacool Laing DDC310

ポンプ換装の際に、最初は今まで使っていたEK Waterblocks製のリザーバーを流用するつもりでしたが、表題の組み合わせで漏水事故を起こしました。

このEK-RES X3 110はコンパクトで、インレットが3つ、アウトレットが2つあるという高機能なリザーバーです。水が下から入って容器内に吹き出したあとに下に抜ける噴水型といわれるタイプで、水量が多少減ってもチャプチャプ音がしにくく、見た目にも楽しいリザーバーとなっています。

双方にG1/4の雄ネジがついているフィッティングを使ってポンプと連結してみました。

アウトレットがリザーバーの中心にないのでどうしてもオフセットしてしまうのですが、このままケース内に設置すればスペース的にも行けそうな感じだったので組み込んで通水試験を実施するところまでは作業を実施しました。

ところが、通水してみたところフィッティングとポンプの間から漏水が生じ、この構成は使えませんでした。漏水とは言ってもドバドバ漏れたわけではなくてじわーっとにじんできたくらいでしたが、少々あわてました。

結局改めて冷却液を抜き取り、下の写真のようにセットになっていたリザーバーと組み合わせることになりました。

EKのリザーバー自体は非常に良いものなので捨てずに取っておき、またいつか出番があるようだったら使いたいと思っています。

PCのポンプ交換(Alphacool Laing DDC310)

10年以上ぶりにPCの水冷システムのポンプ交換をしました。今まで使っていたのはJingwayのDP-600Pという製品で、2012/11/24からかなりの長期間運用していました。

特に故障でも不調でもなかったのですが、さすがに長期間使い続けるのには危険もあるだろうということで予防保守としての交換になりました。

DP-600Pの設計寿命は25℃で50,000時間ということですので、1日8時間運転であれば理屈の上では17年くらいは使える計算になります。

今回購入した製品

ポンプはCoolinglabさんでリザーバーとセットになっているものを購入しました。Alphacoolブランドとなっていますが、LaingのDDC310です。

後述するリザーバーと連結できるハウジングが装着されており、単体でも運用できますがリザーバーと合体することで一体型ポンプとして運用できます。

リザーバーは直径60mmで、高さ150mmサイズです。蓋にインレット1つと、予備のインレットまたはフィルポート用のG/4ネジ穴が2つ切ってあります。

リザーバー部分はBykski(バイスキー)製です。Bykskiは最近値ごろで良い製品を多く出している中国のメーカーです。このリザーバーは標準構成ではアルミ部材が使われていて電触の危険があったことから、Coolinglabの代表の方がメーカーに掛け合ってアルミ部品をPOM製に変えてもらっているとのことです。Coolinglabさんの別注品ということなので、安心して使えます。

実際の搭載

搭載してみた様子が以下の写真です。

収まりは良いのですが、リザーバーがまあまあ大きいのでビデオカードとのクリアランスがかなりギリギリです。ある意味ジャストサイズではあるのでこれはこれで良いと思いますが、現在のケース環境ではこれ以上長いビデオカードは運用できなさそうです。今のRX7600のカード長は281mmということですので、この数値は当面重要になりそうです。

きれいに入っているように見えますが完全に偶然です。

また、ラジエーターのアウトレットからリザーバーのインレットまでが短いので配管が少々大変でした。ソフトチューブで配管をする場合、チューブが短いと”遊び”が長さに比例して小さくなってしまいます。厳密に長さを決めないと長すぎてパーツが押されてしまったり、短すぎて接続不能になったりする場合があります。

今回はこういった事情も踏まえて現物合わせで微調整をしつつ長さ決めをしました。チューブが一定以上長くなる場合は、多少長めに設定しておけば余った分はチューブ自体が曲がって吸収してくれます。なので長い配管の方が簡単です。

ポンプの性能比較

DDC310ポンプの揚程は約2.3mとのことなので、DP-600Pの2.6mよりはやや劣ります。ただ我が家の水冷システムは今や実質CPUクーラーになっているので、十分なスペックに感じます。

騒音値はDDC310が25db、DP-600Pが26db以下という値になっていてほとんど拮抗しています。しかし、今回マウント方法をケース内に床置きからリザーバーポンプとして側面固定に変更したことが効いたのか、明らかに静かになったように思います。DDC310ポンプは大きな管路を組まないのであれば優秀な製品だと思います。

今回退役となったDP-600Pです。

PCの電源ユニット交換(2023)

先日電源ユニットの不調と思われる現象が見られたので部品を交換しました。交換した結果関連する現象は全て収まったので、原因は電源ユニットの経年劣化と判断して良さそうに思います。

交換した電源ユニット

今回故障したのはSeasonicブランドで販売されているOwltechのSSR-650RMという製品でした。故障したとは言え8年以上動いていたので、今回も同じブランドのPX-750Sという製品にしてみました。

パッケージはモノトーンの渋いものです。

この製品はフルモジュラー構造になっていて、必要なケーブルのみを接続することができるのでケース内の配線スペースが限られる際に便利です。また、ハイブリッドモードと称する静音運転モードを搭載しており、オンにすると低負荷の状態ではファンが停止します。

背面にハイブリッドモード切替スイッチがついています。

価格は少々高めになっていますがメーカー保証が10年間ついており、その内容も新品交換保証ということなので、品質にはかなりの自信を持った製品と言えそうです。10年間となると買った本人が保証があることを忘れていそうで心配です。

交換も問題なく行え、無事に動いています。

発生した現象

当初スリープから復帰できなくなる現象が発生して気がつきましたが、その後原因切り分けのために色々検証作業を行ったところ、他にも以下のような現象が見られました。

  • スリープからの復帰に失敗する
  • スリープからの復帰に失敗後、電源スイッチを入れ直しても電源が入らない
  • POST(起動直後の状態チェック)に失敗して起動しない
  • POSTに成功してもWindowsのログイン画面が表示された直後に電源が落ちる

今使っているマザーボードにはPOST中にどのパーツの状態チェックを行っているかがLEDで表示される便利な機能がついているのですが、それによればPOSTに失敗する場合はVGAのチェック時に失敗しているようでした。

また、時期的に朝晩の気温が低くなってくる時期で、PC全体が冷えている朝使い始める際にトラブルが起きたのも電源ユニットを疑うヒントになりました。

まだ軽症だったのか普通に起動さえしてしまえば何とか動作は可能で、使用中に急に電源が切れることはありませんでした。

PC電源故障の疑い

先日PCがスリープから復帰する時に復帰できず、そのまま電源オフの状態になってしまう現象が発生しました。その後改めて電源を投入したところ問題なく起動はしたのですが、この症状は少々いやな予感のするものです。

今まで自作PCの電源ユニットが故障した経験が何度かありますが、その時の主要な症状として、(特に室温が低い時に)スリープからの復帰に失敗する、電源が入らなくなるというものがありました。

今回は1回だけでまだ再現性がないですが、室温が徐々に低くなっているのは確実ですし、今後同じ不具合の頻度が増えることも予想されます。

過去のエントリを調べてみると今の電源ユニットに交換したのが2015年の8月ということですから、丸8年以上は使っていることになります。さすがに寿命でもおかしくない年数なので、これ以上深刻化する前に電源ユニットは交換してしまおうかと考えています。

IntelのCPUリブランド

IntelのCPUが次世代モデルからリブランドされるそうです。

インテル、次世代CPUに新ブランド「Core Ultra プロセッサー」を追加

[ASCII.jp]

前ブランドのCore2が現行のブランドに切り替わってから15年くらい第○世代i7…という名称に慣れていたので、呼び方を切り替えるのに少々時間を要しそうです。

GPU部分がArcベースのものになるということで、節目として切り替えるにはちょうどいいタイミングという判断なのかもしれません。

型番についていたアルファベットで製品の特長を表現するというルールがありましたが、新しい表記法でこれらをどうしていくのかが少々気になります。

グラフィックボード換装(RX570→RX7600)

長らく換装候補が決まらずにRX570を使い続けていたのですが、今回のRX7600がちょうど良さそうだったので換装しました。

世代で言えばRX5000系とRX6000系を挟んで3世代分のジャンプを果たしたことになります。スペックの変化は以下の通りです。

スペックの変化

今回のカード換装でスペックは以下の通りに変化しました。

  • コア:Polaris(14nm)→RDNA3(6nm)
  • ストリームプロセッサ数:2,048→2,048
  • メモリ容量:8GB→8GB
  • 消費電力:150W→165W
  • ピーク演算性能:5.1TFLOPS→21.75TFLOPS

消費電力は微増となっていますが、演算性能ではざっくり4倍になりました。

組み込み状況

今回購入したのはASUSのROG STRIX RX7600です。オーバークロック仕様となっており、クロック周波数が2,355MHz-2,755MHzとなっています。ROG STRIXシリーズのグラフィックボードは結構こだわった設計になっているのと、割とすぐに市場から消えて復活することが少ない印象を持っているので、今回セレクトしてみました。

一般的なRX7600シリーズのグラフィックボードのカード厚は正味2スロット分らしいのですが、このROG STRIXシリーズは巨大なクーラーが付いているので約3スロット分の厚みがあります。実際に装着してみるとかなりの存在感があります。手に持ってみるとボードというよりはブロックのような感触です。

カードは厚いですが重量はそこまでではないようです。正確に測定はしていませんが先代のRX570とほぼ同じくらいの重さに感じました。

寸法に関してはあんまり心配していなかったのですが、装着してみたらカード先端がリザーバーに接触寸前の状態でした。これは何事もなくて良かったと思います。

消費電力は若干増ではあるものの、PCI-Expressによる給電は6pin+8pinだったところ、8pinのみで良くなりました。ケーブルを1本減らせたので、これは思わぬ改善になりました。

とりあえずは組み込んだだけという感じなので、色々なワークロードを試してみてまた追ってエントリにまとめてみたいと思います。