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X370チップセットの温度

先日組み立てたRyzen機なのですが、マザーボード読みでチップセット温度が50℃~60℃と結構高い値を示しています。一応ケース内は前方吸気-後方排気の1方向の空気の流れができていますが、気分的に安心できなかったので前面の12cmファンをチップセットの横に移植しました。

元々VGAをコアだけ水冷化していて、VGAの電圧レギュレータなども風を当てないといけなかったので、チップセット冷却とVGA冷却の一石二鳥を狙いました。

こんな感じになりました。せっかく水冷なので水冷化できるといいのですが、最近は汎用のウォーターブロックというものがあまりないのでちょっと大変そうです。既存のヒートシンクの上にさらに大きいヒートシンクを貼るのも考えましたが、美観的にどうかなというのもあり、未実施です。

とりあえず風を当ててみたところ50℃前後で安定しているので、これでしばらく行ってみたいと思います。ファンの回転数はUEFIの詳細設定でチップセット温度連動のPWM制御にしているので、冬場はさすがに静かになると思います。

Ryzen機の設定と試験

さっそく細かい設定と試験を行いました。

CPU

定格は3.6Ghzなのですが、HWmonitorで温度を見てみるとアイドル状態で表面44度、内部に至っては34度くらいで非常に低い値でした。なので、3.8GhzくらいまでOCして常用しても問題はなさそうでした。

なのですが、ファンがうるさくなっても困るのでとりあえず定格でチェックをしました。Prime95を動作させて30分間くらい置いておきましたが、表面で50度台後半まで温度が上昇するくらいでした。

温度については何ら問題なさそうです。Windowsの電源プランをAMDが配布している”AMD Ryzenバランス調整”にしているので、使用していないと90%までクロックが落ちます。

メモリ

今回大変だったのはメモリです。単純にRyzen初出時にメディア各社に配られた評価キットに含まれていたから、という理由でCorsairのCMK16GX4M2B3000C15を用意しました。

CPU-Zで見る限りメモリのランクはシングルランク(1)なので、Ryzen5のメモリコントローラの仕様上はDDR4-2666での動作が可能なはずです。

さっそく試してみたのですが、所定のレイテンシでは2666どころか2400でも動作しませんでした。色々調べてかなりたくさんの組み合わせを試しましたが、2666以上はどうやっても不可でした。

そんな中で2400、15-15-15-39であれば動作し、Memtest86も1パスしました。しかしながらレイテンシを緩めてしまったためか2133との性能差があまりない状態になってしまいました。

一応試験までしたのですがリスクにリターンが見合わない感じがするので、SPDそのままの2133、15-15-15-36で運用しています。こちらも当然ながらMemtest86はOKでした。

Ryzenはメモリのランクによって最大クロックに制限がかかるのも分かりにくいのですが、どうもメモリのモジュールメーカーや基盤の設計によってもクロックを上げられる・上げられないが結構変わってくるようです。何だか一昔前によく言われた ”メモリの相性” の再来という感じもします。

これから組んでみようかなという方はRyzen対応を謳っている製品や高クロック動作保証メモリとのセット製品を選ぶなど、メモリの選択は十分注意された方が良いように思います。

全体的な試験

以前の環境だと少々重かったSpace Engeneersで試験をしてみました。このゲームは非常にメモリの消費量が大きいのが特徴です。特に設定をいじらずに起動してみると、メモリの消費量は5.4Gに達していました。ただ、今回の環境は16Gもメモリがあるのでまだまだ平気です。

CPUはゲーム中各スレッドとも低いパーセンテージで動いており、こんなにスレッドを使ってくれるなら1600Xにしといて良かったなと思いました。温度はPrime95ほど高くはならず、表面50度前後、内部40度前後というところでした。これは余裕がある感じです。

まとめ

というわけでなんやかんやで結局定格運用になってしまったのですが、十分に速いので全く不満はありません。メモリについてはやや悔いが残る結果にはなりましたが、ある意味アップグレードパスを残しているとも言えるわけで、お楽しみが1個残ったと考えようと思います。

EK-Supremacy EVO AMDとその付属品

今回Ryzen機に組み込んだCPU用のウォーターブロックは、EKの EK-Supremacy EVO AMD – Nickelというモデルです。

バリエーションとしてこのNickel(上部が透明)のほか、Acetal+Nickel(上部が黒い樹脂製)、Full Nickel(上部まで完全に金属製)があります。Full Nickelはちょっと高めの値段設定になっています。透明なのがかっこいいという見た目のポイントもありますが、万が一電触やサビが発生したときに目視で点検がしやすいので、選べるようなら透明なものにしています。

装着は非常に簡単で、マザーボード上の既存の固定具を外せばそのまま装着可能です。バックプレートはマザーボードのものを流用するので無駄がありません。CPUはヒートスプレッダがついているので、装着時にテンションをかける際もそこまで神経をとがらせなくても良く、多少は気が楽です。

EKのCPU用ウォーターブロックを買うのは初めてでしたが、Thermal Grizzly Aeronautという高いグリスがお試しサイズで入っていました。お試しサイズとはいいながら2-3回分は使えそうなのでありがたく使わせてもらいました。

さすがEKという感じで至れり尽くせりの製品でした。

新しいPC(Ryzen機)の構成

2011年の12月以来にマザーボードとCPUの更新をしました。

現在の構成はこんな感じになっています。

  • CPU:     AMD Ryzen5 1600X
  • メモリ:    DDR4-3000(とりあえず2133で動作) Corsair CMK16GX4M2B3000C15 8GB*2
  • マザーボード: ASUS PRIME X370-PRO
  • 電源:     Owltech SSR-650RM(650W)
  • ストレージ:  Western Digital WDS500G1B0B(500GB)
  • VGA:     Radeon R9 270X
  • OS:                   Windows10 Home 64bit

CPUは結局1600Xにしました。Ryzen3でもFX-8120比で倍くらいの計算能力にはなるのですが、やはりスレッド数が増えた方がアップグレードの甲斐もあるだろうということで1600Xにしてみました。定格は3.6Ghzなのですが、自動設定にすると3.9Ghzで固定されます。

メモリは心配だったのでマザーボードの動作確認リストに載っているメモリにしました。後から考えてみるとメモリのランクを心配する必要があったのですが、まあそこまで詰めた設定をするわけでもないしまあいいか、という感じです。

マザーボードはB350チップセットのものでもよいかと思いましたが、どうもこれという製品がなくX370採用のASUSの製品にしました。今回はマザーボードは水冷化していません。マザーボードで水冷対応可能なものを選ぶと、どうしても価格帯が高くなってしまいます。

マザーに限らずですが、水冷にこだわると対応部品を選択する過程でどんどんハイエンド化するという現象が起きるので、今回は空冷で行くことにしました。ASUSのスタンダードなマザーボードは見た目がうるさくなくて好きです。

ストレージはM.2 SSDを投入しました。何かとスペースに制約のある水冷PCではM.2 SSDはありがたい存在です。せっかくのM.2ですが容量と価格重視でSATA接続のものにしています。速度的には全く不満はないですし、500GBあれば自分の用途には十分なのでこれでOKです。

OSは今回マザーごと更新になるので新たに調達しました。その他のパーツは既存の構成からの流用です。

第一印象としては速くなったといえばなったのですが、これは単にOSをクリーンインストールしたせいかもしれないので何とも言えません。ただ、Cinebenchを実行してみるとやはり1400以上の数値が出るので、やはり圧倒的に速くなっているのは間違いないです。あとCinebenchのマスが一度にたくさん埋まるので面白いです。

しかもそれでいてCPU温度は3.9Ghz固定で40度前後に収まっているので、本当に大したものだと思います。家のPCでこんなの使ってしまって良いのかな?と思っています。

Ryzen機ついに完成

各部品の値段も落ち着いて、マザーボードのBIOSも一段落したかな、と思っていたところだったので思い切って更新しました。

CPUはRyzen5 1600Xにしてみました。今日のところは組めただけというところなので、細かい設定の詰めや環境構築はこれからです。

まずは事故なく無事に組めたので、その点は非常に良かったです。

ROG MAXIMUS IX EXTREMEの水漏れ検知機能

ASUSのROG MAXIMUS IX EXTREMEは、ハイエンドマザーらしく水冷ブロックが既に装着された状態で販売されているマザーボードです。単に水冷ブロック装着済みというだけでなく、水温や水漏れ、流量までマザーボード上で計測できるそうです。

水漏れを検知して自動シャットダウン、最先端のマザーボード用水冷ヘッドは結構賢い

[AKIBA PC Hotline!]

G1/4のネジ穴の外周部がセンサーになっているようです。

漏水事故自体あってはならないことですが、こういう機能があれば少しでもパーツが助かるかもしれません。
以前から流量センサーや水量計などは単品の製品として流通していましたが、あれもこれもと搭載するとどうしてもゴテゴテしがちなのが難点でした。この製品はマザーボードでオールインワンになっているので、すっきりと装備できて良いと思います。
気になったのでマニュアルもWeb上で読んでみたのですが、水漏れや流量はマザーボード上の9ピンコネクタに情報として送られているようです。9ピンならもしかして実体は内蔵USBコネクタなのでは?と思うのですがどうなんでしょう。

水冷式のPC電源

恒例のComputexの展示品に、水冷式のPC電源が出品されるそうです。

FSP、世界で唯一の光る水冷ATX電源「Hydro PTM+」

[PC watch]

水冷式の電源というと、かなり前に個人の方のWebサイトで見た記憶があります。それは、空冷式電源のケースの片面を開けてファンを外し、内部のヒートシンクに汎用の水冷ブロックを接着するという方法だったように思います。

この製品は水冷と空冷のハイブリッドで、低出力時は水冷のみ、高出力時は空冷が加勢するようです。

外観写真からはG1/4の接続口と思われるアクリルのパーツが確認できます。

電源は漏水すると一番危険なパーツなので心配になりますが、水冷部品大手のbitspowerと組んでの製品だそうなので、作りはしっかりしていそうです。

外径10mm/内径8mmチューブの耐久試験

以前から我が家の水冷システムは外径10mm/内径8mmのチューブを使うシステムでした。これは水冷システムを導入した時のメーカーが採用していた規格だったからです。

ところがそのメーカーもどうやらなくなってしまい、水冷PC用として10mm/8mmのチューブが出回らなくなってしまいました。

そこで、今年の1月頃にモノタロウの通販で10mm/8mmの塩ビチューブを買ってみました。いきなりシステムに組み込むのはちょっと怖いので、先日まで廃クーラントの入ったペットボトルに漬けておきました。

結果がこちらです。クーラントから出した直後は少々色が濁っている感もあったのですが、透明度を維持しています。柔軟性も失われておらず、ヒビなども見られません。

まだちょっとだけですが10mm/8mmのチューブを使う区間が残っているので、その部分の補修用として使ってみようと思っています。

XSPCのAM4用ウォーターブロック

XSPCもAM4対応のウォーターブロックをリリースしたそうです。

Socket AM4にも対応する水冷ヘッドがXSPCから登場

[AKIBA PC Hotline!]

XSPCというと一体型ポンプを得意とするメーカーというイメージを持っているのですが、実は水冷PCパーツ専業メーカーとしてラジエータやウォーターブロックも製造しており、やろうとすれば一式XSPCで揃えることもできます。我が家で部品の導入実績はないですが、ホースカッターはXSPC製です。

今回のウォーターブロックは付属品にバックプレートがないので、EKのものと違ってバックプレートはマザーボードのものを流用するスタイルなのではないかと思います。

記事中の写真で見る限り、なかなか品質は良さそうに思います。

EKWBのSocket AM4用パーツ

Ryzenの情報も出てきたところで、水冷用の部品のことも調べてみました。

おなじみのEK WaterblocksがAM4用の製品を用意する見込み、という情報が伝わっていますが、現時点ではCPU用ウォーターブロックのマウンティングパーツが販売されているようです。

CPU用ウォーターブロックの現行製品であるSupremacy EVO系であれば、別途

  • Mounting plate Supremacy AMD – Nickel(マウンティングプレート)
  • EK-Supremacy EVO Backplate(上記パーツに対応するバックプレート)

を組み合わせることでAM4用として使えるようです。Supremacy EVOのマニュアルには既にAM4用のインストール手順も記載されているので安心です。ただし、Supremacy EVO系のうち、Intel専用とされているものにはこれらのオプションパーツは使えないようです。

EKと言えば最近はMonoblockと称する、1部品でCPUと周辺のMOSFETを冷却するパーツをリリースしています。シェアの都合でAMD系製品に対応したものはないのですが、Monoblock製品のリリースも期待したいです。

ただ、マザーボードのMOSFETを水冷化してしまうと、マザーボード乗り換えのハードルが高くなる上に、ウォーターブロックによって選べるマザーボードが限定されてしまうので悩みどころです。水冷化したいという理由だけでハイエンドマザーを選ぶのは厳しいので、今回はCPUのみかと思っています。