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長野県道31号の旧道を写真判読する

いつもお世話になっているオリンピック道路こと県道31号ですが、小川村の中心部までは旧道と新道が完全に別々になっています。

小川村の役場などを過ぎると、沿道に線形改良の結果県道ではなくなってしまったと思われる旧道の痕跡をいくつか見かけるので、国土地理院の空中写真閲覧サービスの写真を使って比較してみることにしました。

比較対象にしたのは1977年撮影のCCB-77-3コースです。現在の道路線形については地物などを参考にフリーハンドで入力したものなので、精度は全く無いお絵かきであることをご承知おき下さい。

小川神社付近

[本エントリの画像は全て国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスを基にheboDJ.netが作成]
※クリックで原寸表示されます

小川神社付近では線形改良のために橋が1つ架け変わっているらしいことが読み取れます。大きくない道路橋なので微妙ですが、橋脚跡などが確認できるかもしれません。

興味深いのは小川神社付近です。現在も小川神社の参道と接続する急勾配の道路があり、道路に沿って人家や酒屋さんなどが並んでいますが、かつてはそちらが本線だったようです。この区間は改良で縦断・横断ともかなり線形は良くなったのではないかと思います。

横峯バス停付近

信濃屋商店さんというお店のある横峯バス停付近は大きく線形が変わっている区間です。かつてはかなり大きい逆S字になっていたようですが、ほぼ完全な直線になっています。

切石トンネル手前

切石トンネル手前もなかなか走って爽快な区間ですが、かつては土尻川の左岸に沿うように道路が走っていたようです。恐らく、極力橋が少なくなるように左岸に道路を寄せた結果こうなったのではないかと思います。

現在は横断線形を最優先して道路が通っています。土尻川に沿うように山を回り込んでいた区間も切石トンネルが整備されたため、直線に近い形で走行可能になっています。

こうしてみるとかなり大規模な改良が施されていることが良く分かります。旧道は廃道化せずに生活道路として使われ続けているものが多いので、改めて走ることも可能です。実地の調査も計画してみたいところです。

長野県道54号

中野市と須坂市の間を結んでいる県道54号という道路があります。この県道54号は途中の峠部分が未開通になっているという面白い特徴があります。

似たような道路としては首都圏の道路で言うと埼玉県道73号(鳥首峠が登山道)や神奈川県道76号(犬越路が登山道)などがあります。

まずは中野側から見てみます。

途中までは普通に幹線道路ですが、突然看板が出てきて須坂方面へは県道を離れるよう誘導されます。

さらに、須坂方面へ通行できない旨の看板が断続的に登場します。写真ではまだ片側1車線ずつの道路ですが、これがどんどん狭くなっていき、勾配も10%超に達するおよそ幹線道路のスペックではない道路になっていきます。

最終的にはこのような田園地帯の狭い道路になってしまいます。この先の林で行き止まりのようです。

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鬼無里の湯

レストランも併設されています。

鬼無里の湯は鬼無里の西側にある鬼無里日影という地域にある温泉宿泊施設です。鬼無里と長野・白馬を結んでいる国道406号沿いにあります。

ここから約5km先が頂上の白沢洞門です。平均3.5%位の登りになります。

国道406号はこのまま西進すると白沢洞門を経由して白馬村に行くことができます。オートバイツーリングの方に人気の道です。道があまり良くないのが難点ですが、勾配も緩めで鬼無里から白馬に向かうのは挑戦しやすいと思います。

宿泊に利用したことはないのですが、建物の前にトイレと自販機があるので簡単な補給に利用させてもらうことが多い場所です。鬼無里の中心部を過ぎて約7kmの場所にあるので、峠前の最後の補給に便利です。

今は国道406号がありますが、その昔は鬼無里の湯の裏手にある柳沢という沢沿いに山を登り、頂上の峠を経て白馬村との行き来をしていたそうです。今や国土地理院の地形図にも道は載っていませんが、当時の行き来はさぞ大変だったろうと思います。

中綱湖

中綱湖は木崎湖と青木湖の間にある湖です。仁科三湖と言われる3つの湖の中では最も小さい湖となっています。

小さいのもあってちょっとマイナーな感はありますが、静かでいい湖です。
これが昔の街道だったようです。

湖の右岸側は千国街道という古い街道の跡です。以前からちょっと興味のある道なのですが、登山道のような区間も多いらしいので、自転車向きではないかもしれません。

現在は湖の近くにスキー場があるので、スキー客や釣り客向けの宿が多く建ち並んでいます。

こういった案内図が数多く整備されています。ルートを追ってみたいのですが徒歩向けの道のようです。

ついつい通り過ぎがちな湖ですが、ちょっと足を止めて見てみる価値のある場所だと思います。

聖湖

千曲市の西に聖山という山があり、山の上の方には聖湖という湖があります。この山は国道403号が通っているので筑北・麻績方面から登ってみました。

標高はキリ良く1,000mです。
湖畔はまだまだ冬の景色でした。

麻績村(おみむら)は中心部の標高が600m台なので、聖湖まで登る場合は峠区間が比較的短くて済みます。篠ノ井線の聖高原駅からだと聖湖までは平均5.5%くらいで6kmというところです。

逆に千曲川沿いから登ってくる場合は標高差が大きくなるので大変です。平均勾配は6%程度ですが峠区間は約10kmになります。途中の姨捨まで登るのも結構ボリュームがありますが、聖湖まではさらに長くなります。

裏を返せば聖湖から善光寺平に下る場合は非常に長い下りになります。下っても下ってもなかなか平野部に着かないので途中で心配になりました。

姨捨駅周辺では展望の良いポイントもあるので、一気に下らずに休み休み景色を見ながら行くのが良いと思います。

空中写真と見まがう展望の開ける場所もあります。

平均で6%くらいはありますがそれほど急勾配な訳ではなく、一定ペースで登れるタイプの峠なのでオススメです。とにかく安全にクリアしたい場合は国道19号から差切峡(県道55号)経由で麻績村に入ると、それほど坂を登らずにチャレンジできると思います。

美麻トンネル(旧道)

オリンピック道路こと県道31号を白馬方面に走って行くと、白馬村に入る手前で美麻トンネルというトンネルを通ります。

このトンネルは延長が1kmくらいありますが、困ったことに歩道がなく点検廊しかありません。トンネル内部も白馬方面に向かって4%くらいの勾配がついているので、今回は旧道で回避してみました。

見るからに急勾配ですが、道はきれいそうです。

トンネル坑口の真下を旧道が走っています。

ここで右に入ります。

長野方面から走ってきた場合 、旧道へはトンネルの手前で右折すると入れます。特に案内はないですが”橋の手前”と覚えておくと良いです。

旧道なので当然峠になっており、勾配は平均して10%ちょっととかなり手強いスペックです。幸い長さは700m程度なので、あまり坂が得意ではない方でも何とかなるのではないかと思います。

頂上から白馬方面を撮影した様子です。

頂上付近の地名はそのまま”峠”です。

デマンドバスのバス停名称も”峠”です。

ちょっと下ると再び県道31号に右側から合流します。合流するところがちょうど白馬村の入口です。

美麻トンネルは自転車で走る場合、かなり難所になるトンネルなのではないかと思います。白馬側からなら下りなのでまだサッと抜けられますが、長野側からだとどうしても抜けるのに時間がかかるので危険です。旧道を選択してもそこまで損にはならないので、安全重視のルートとしてオススメします。

中条トンネル上の道路

県道31号大町街道を小川村方面に走って行くと、中条支所手前に短いトンネルがあります。

中条隧道というトンネルです。

トンネル手前で左折することで旧道と思われる道路に入れます。この道路の存在は以前から知っていたのですが、もう1つだけ気になることがありました。

この道路です。ちょうどトンネルの天井の上を通って虫倉山・陣馬平山の斜面を直登するような線形の道路です。長野市道で、路線名は城下三ヶ野線というそうです。見るからに厳しそうな坂ですが、登ってみました。

いきなり20%近い勾配から始まるので面食らいます。序盤はアスファルト舗装ですが、進行方向に対して垂直に溝が切ってあり、細かい振動があります。序盤の超急勾配区間をやり過ごしてもほぼ全域が10%オーバーの非常に急な坂になっています。

勾配以上に厳しいのが中盤のコンクリート舗装です。山間部や積雪の多いエリアではコンクリート舗装は珍しくありませんが、ここの舗装はかなり深い溝が進行方向と垂直に切られており、まるでカマボコを並べた上を走るような道路になっています。

勾配も相変わらず10-12%なので時速9km程度で登りましたが、この速度でも自転車全体がピョコピョコ跳ねてしまいなかなか進みません。

コンクリート舗装区間が終わると平滑なアスファルト舗装に戻り、勾配も多少緩くなりながら県道401号に合流します。

登り切ったところに正法寺というお寺があります。
登ってきた坂を振り返るとこんな感じです。

ルートラボで計測してみると平均11%で2.3kmというそうそう見ないプロフィールの坂になっています。これだけの厳しい坂が連続するという点では希少性はあるかもしれませんが、途中のコンクリート舗装区間のことを考えるとオススメはしにくい道路です。

北信のハッピードリンクショップ

山梨県を中心に多数展開している”ハッピードリンクショップ”という自販機コーナーがあります。道路沿いの土地に何種類かの自販機が集合しており、”ハッピードリンクショップ ○○店”という立て看板が出ているのが特徴です。

山梨県では割と頻繁に見かけるので、自転車ツーリング時の水分補給にずいぶん役立っています。

山梨県が本拠地で、神奈川県や長野県の山梨県に近い地域にも進出しているというイメージを持っていたのですが、善光寺平周辺を走っていると結構北信にも存在しています。

”奉仕価格”や”憩い処”などの独特のポップも目立ちます。

あまり人気のない道沿いにも突然出現することがあるので、探せばもっとたくさん見つかるかもしれません。ある程度場所を頭に入れながら走りたいところです。

道の駅おがわの改装工事(2)

改装中の道の駅おがわを通りがかったところ、かなり完成に近づいている様子でした。さんさん市場の建物にはファミリーマートが併設になるようです。

木の目立つ意匠の建物にファミリーマートが入っているのが珍しく感じます。

元々道の駅おがわの隣にはローソンがあって、過去に長野旅行に来た時にお世話になった記憶があります。そのローソンは最近閉店してしまい、地元の方からはコンビニ復活を望む声も出ていたと聞きました。

そんな中でコンビニが道の駅と一体化して復活するのは良いニュースだと思います。

看板も”ファミリーマート + 小川村”となっており、単にコンビニが復活するというだけではなく、官民協働のようなコンセプトのあるお店になるのかもしれません。楽しみです。

志垣トンネルと祖山トンネル

長野市街から鬼無里に向かう国道406号ので、ここ数年西組バイパスというバイパス道路の工事が行われていました。開通は2018年の12月だったのですが、そのときは既に自転車に乗れる気象条件ではなかったので、春を待って訪問してみました。

バイパスと旧道の分岐点です。こうしてみると旧道のワインディング具合が良く分かります。
ちなみに長野駅前-鬼無里行きのアルピコバス74系統は旧道にバス停がある関係で今なお旧道を通っています。

こちらはバイパスです。全く快適さが違う道路となっています。

志垣トンネルの手前です。こちらは昨年一度通っています。 志垣トンネルは長野市街に向かう方の車線に歩道があるので、こちらを通行するのが安全だと思います。

志垣トンネルを出ると渡戸大橋という橋に出ます。昨年訪問時はここで通行止めとなっていたのですが、とうとう直進できるようになりました。この先の祖山トンネル含めて歩道がなくなるので、ここまで歩道できた場合は左側に移動が必要です。

祖山トンネルです。全体的に登り基調で、舗装はコンクリート舗装です。路面がウェットな際はスリップも警戒しておいた方が良いかもしれません。

再び旧道と合流します。

道路の快適性という観点から言えば、やはりバイパス側が圧倒的に快適です。自転車目線で言うとバイパス側は勾配が一定で登り返しがないので、力のロスが少ない状態で通過できるのも魅力です。鬼無里から長野市街に戻る場合は長い下りになるので非常に楽です。

祖山トンネルに歩道がないのは少々残念ですが、元々の交通量がそれほど多くないので、自転車で通ってもそれほどハイリスクな道路という印象は受けませんでした。

もちろん旧道は旧道で残っているので、山道の走りを楽しみたい場合はあえての旧道選択も楽しそうです。