自作PC」カテゴリーアーカイブ

(続)The Version of AMD Radeon Software…というエラー

以前表題のエラーに遭遇し、「ドライバをアンインストール後再度インストールしたところ解決した」というエントリを書きました。

エラー内容としては同じなのですが、ドライバの入れ直しで解消しないケースに遭遇したのでまとめておきたいと思います。

事象

発生のきっかけ

久々にSteamでKenshiを遊んでいたところ、突然ゲームがクラッシュしてPC自体が再起動してしまいました。Kenshiはクラッシュの多いゲームなのでこれ自体はあまり驚くことではないのですが、その後が普段と少々違いました。

症状

再起動後VGAのドライバがロードできず、3Dのアクセラレーションがかからない状態になってしまいました。デスクトップなどの画面表示に異常はありませんが、ゲームを実行するとfpsが15程度しか出ないという状態でした。

この状態でAMD Softwareを起動しようとすると表題のエラーが表示されました。

また、デバイスマネージャーでVGAの状態を確認すると、「問題が発生したのでこのデバイスは停止しました。 (コード 43)」というエラーが発生していました。

またデバイスのプロパティを詳しく見てみると、「amduw23gが読み込めず、デバイスが開始できない」旨のイベントログが残っていました。

対処(今回は効果のなかったもの)

デバイスドライバの入れ直しも含めて様々な対処を行いましたが、この時点では改善できませんでした。ただここに挙げた対策は一般的には有効とされているものばかりなので、同様のエラーが発生したときに試してみる価値はあると思います。

  • デバイスドライバの入れ直し
  • キーボードショートカットによるVGAのリセット(Ctrl+Shift+Win+B)
  • デバイスマネージャーでVGAを一旦無効にして再度有効にする
  • Windowsを起動後、”AMD Cleanup Utility”でドライバをきれいに削除して入れ直し
  • システムの復元

ここまでやってみてダメだったので、もうWindowsごとクリーンインストールすることにしてしまったのですが、Windowsを入れ直しても問題が解消しませんでした。

解決までの経緯

今回の問題はなぜか偶発的に解決してしまいました。行った操作はこのような形でした。

  1. クリーンな状態のWindowsにドライバをインストールしたところ、問題が解消していないことを確認
  2. 一旦セーフモードで起動し、AMD Cleanup Utilityを実行する準備をする(ドライバ削除後、ワークステーション用のPROドライバを入れてみるつもりだった)
  3. セーフモード起動時に「問題が発生したため、暗証番号「PIN」を使用できません。クリックして…」という全く関係ないエラーが発生
  4. PINを再設定しようとしたが、PIN再設定用の画面が一瞬表示されてすぐ消えるので設定できず
  5. ログイン画面でShiftキーを押しながら再起動し、Windows回復環境を起動してWindowsを初期化
  6. なぜかVGAドライバの問題が解消

PINの問題は全く関係ないように思うのですが、仕切り直しの意味で実行したWindowsの初期化により問題が解消しました。

原因と正しい対処の検討

結局何が悪いのかは良く分からなかったのですが、ネット上の情報を色々見ていると「Windows UpdateがRadeonのディスプレイドライバを上書きすることがあるので、Windows Update経由でデバイスドライバを入手しないようにした方が良い」という意見が多くありました。

AMD software not compatible with your graphics driver

[Reddit.com]

この設定は”システムの詳細設定”内の”ハードウェア”タブにあるデバイスのインストール設定というものです。デフォルトで有効になっていますが、Radeonだけなのか、この設定がトラブルの原因になるという指摘が多くありました。デバイスドライバは基本的に手動でまめに更新するので、私も今回の件を機に無効にしました。

今となっては詳しい検証が困難になってしまいましたが、この”本来読み込まれるべきドライバに対して別の何かが優先して読み込まれている”という状況は確かにありそうに感じます。

さすがにWindows自体を入れ直せば問題は解消しそうなものですが、それでも問題が起きたのはWindowsインストール時点で何らかのドライバがインストールされてしまったのではないかと思うからです。

結局別途AMDから入手したドライバをインストールしても問題は解消せず、”ドライバがある状態でWindowsの初期化をしたら解消した”わけですから、クラッシュ後に異常が起きたのはどちらかというとWindowsの挙動が原因ではないかという気がしています。

今思えば一番解決に近そうなのは

  1. AMD Cleanup Utilityを使用し、セーフモードでドライバを完全に削除
  2. セーフモード中にWindows Updateからデバイスドライバを入手しないよう設定変更
  3. 再起動後ドライバを再度インストール

だったかもしれません。

RadeonでAFMF2を手動でONにする

我が家のRX7600も含めてRX6000系と7000系はフレーム生成技術”AFMF2”を様々なゲームに適用することができます。

適用したい場合、基本的にはゲームごとの描画設定を”HYPR-RX”とし、要するにおまかせ設定にしてしまえばOKです。古いタイトルであっても、ドライバ側でAFMF2が適用可能と見なされると自動的にONにしてくれます。

そういった中でも自動的にONにならないタイトルがあり、その場合はユーザーの責任において手動でONにすることができます。

サポート外のゲームではこのような表示になります。

私の手持ちタイトルの中ではDiablo4が対象外となっています。手動でONにすると何か不具合が起きるのかと思って試しにONにしてみましたが、今のところは問題なくプレイできており、フレームレートもかなり向上しています。少々心配な点はありますが、設定をチューニングして一番良い状態を狙うのは楽しい作業です。

DDR5メモリの初回起動時トレーニング

興味深い話題が窓の杜さんに掲載されていました。

PCの起動に最大15分 ~DDR5メモリの更新には“トレーニング”が必要になることがある

[窓の杜]

記事によるとDDR5メモリと特定のUEFIの組み合わせで、PC構築後の初回起動時にトレーニング処理が実行され、長い時間起動していないように見えることがあるそうです。

特にメモリの容量が多いときに時間が長くなるようで、最近はメモリの搭載量も増えてきているので遭遇する確率は高そうに感じます。

私は今回この事象を初めて知りましたが、私は長らく自作PCを組み立てているので良くも悪くも経験ベースで作業をしてしまいがちなところがあります。あまり甘く見ずに時々は最新のプラットフォームでどのように組み立てを行うべきなのか等の情報を仕入れておくことも重要だと感じました。

12cmファンをデイジーチェーン接続する

我が家のPCは12cmファン3つを使う360サイズのラジエーターで冷却をしています。

ファンの電源は今までマザーボードのCPU用のものから1基分、CPUオプションコネクタをY字分岐して2基分の合計3基でまかなっていたのですが、1つのコネクタから3基分取れた方が配線がすっきりすると思ったので部品を調達しました。

アイネックスのCA-100Aという商品です。まさに360サイズのラジエーター向けに作られたような製品で、PWMファン3基をデイジーチェーン(数珠つなぎ)接続することができます。

一応制限事項としてマザーボードの電源コネクタ容量を上回らないことというのがあります。ファンについてはデータシートで消費電力が0.6Wということが分かりました。マザーボードの説明書にコネクタごとの出力は掲載されていませんでしたが、0.6Wx3であれば問題はないようです。

性能面が何か変わったというものではないですが、ケース内がちょっとすっきりしたので満足のいく小改造になりました。

ASUS Q-Fanのキャリブレーション

夏場のPC冷却設定の一環としてPCに搭載されているPWMファンのキャリブレーションをしてみました。

これはマザーボードのUEFI上で実行できるQ-Fanというファンコントロール用の機能からアクセスできます。自動最適化という名称で表示されます。実施するとマザーボードの方で自動的にファンをテスト動作させ、最低デューティ比を割り出してくれます。

最低デューティー比を現物にあわせて決定することにより、必要ないときにはファンを可能な限りの低回転まで落とすことができ、静音性が向上するというもののようです。

意図せず利用中にファンが止まって再始動しない場合や、交換したばかりのファンに関しては1回これで回転数下限を測定しておくと良さそうです。

Ryzen 5800Xを低電力運用する

気温が高くなってきたので最近流行っているというCPUの低電力運用を試験してみています。

設定にはWindows上で動作するRyzen Masterを使用します。Ryzen Master上で”ECO-Mode”に設定するだけなのでとても簡単です。これを設定することで105W動作のCPUであれば65WCPUとしての動作になるということです。

ちょっと注意が必要なのはUEFIの設定によってはECO-Modeが選択できないことがあることです。私のPCで使っているASUSのROG Strix X570-F Gamingでは”詳細”→”AMD Overclocking”→“AMD Overclocking”→“ECO Mode”と選択して、ECO ModeをEnableにすれば選択可能になりました。

このUEFIの設定に関してはマザーボードのメーカーごとに設定する項目や表示名が微妙に違うようです。

まだ1週間くらいしか動かしていませんが、確かに低クロックで動いているようですし、特に高負荷時はかなりセーブして動作をしているようです。夏限定で低電力運用してみてもいいかなと思っています。

EK-RES X3 110 + Alphacool Laing DDC310

ポンプ換装の際に、最初は今まで使っていたEK Waterblocks製のリザーバーを流用するつもりでしたが、表題の組み合わせで漏水事故を起こしました。

このEK-RES X3 110はコンパクトで、インレットが3つ、アウトレットが2つあるという高機能なリザーバーです。水が下から入って容器内に吹き出したあとに下に抜ける噴水型といわれるタイプで、水量が多少減ってもチャプチャプ音がしにくく、見た目にも楽しいリザーバーとなっています。

双方にG1/4の雄ネジがついているフィッティングを使ってポンプと連結してみました。

アウトレットがリザーバーの中心にないのでどうしてもオフセットしてしまうのですが、このままケース内に設置すればスペース的にも行けそうな感じだったので組み込んで通水試験を実施するところまでは作業を実施しました。

ところが、通水してみたところフィッティングとポンプの間から漏水が生じ、この構成は使えませんでした。漏水とは言ってもドバドバ漏れたわけではなくてじわーっとにじんできたくらいでしたが、少々あわてました。

結局改めて冷却液を抜き取り、下の写真のようにセットになっていたリザーバーと組み合わせることになりました。

EKのリザーバー自体は非常に良いものなので捨てずに取っておき、またいつか出番があるようだったら使いたいと思っています。

PCのポンプ交換(Alphacool Laing DDC310)

10年以上ぶりにPCの水冷システムのポンプ交換をしました。今まで使っていたのはJingwayのDP-600Pという製品で、2012/11/24からかなりの長期間運用していました。

特に故障でも不調でもなかったのですが、さすがに長期間使い続けるのには危険もあるだろうということで予防保守としての交換になりました。

DP-600Pの設計寿命は25℃で50,000時間ということですので、1日8時間運転であれば理屈の上では17年くらいは使える計算になります。

今回購入した製品

ポンプはCoolinglabさんでリザーバーとセットになっているものを購入しました。Alphacoolブランドとなっていますが、LaingのDDC310です。

後述するリザーバーと連結できるハウジングが装着されており、単体でも運用できますがリザーバーと合体することで一体型ポンプとして運用できます。

リザーバーは直径60mmで、高さ150mmサイズです。蓋にインレット1つと、予備のインレットまたはフィルポート用のG/4ネジ穴が2つ切ってあります。

リザーバー部分はBykski(バイスキー)製です。Bykskiは最近値ごろで良い製品を多く出している中国のメーカーです。このリザーバーは標準構成ではアルミ部材が使われていて電触の危険があったことから、Coolinglabの代表の方がメーカーに掛け合ってアルミ部品をPOM製に変えてもらっているとのことです。Coolinglabさんの別注品ということなので、安心して使えます。

実際の搭載

搭載してみた様子が以下の写真です。

収まりは良いのですが、リザーバーがまあまあ大きいのでビデオカードとのクリアランスがかなりギリギリです。ある意味ジャストサイズではあるのでこれはこれで良いと思いますが、現在のケース環境ではこれ以上長いビデオカードは運用できなさそうです。今のRX7600のカード長は281mmということですので、この数値は当面重要になりそうです。

きれいに入っているように見えますが完全に偶然です。

また、ラジエーターのアウトレットからリザーバーのインレットまでが短いので配管が少々大変でした。ソフトチューブで配管をする場合、チューブが短いと”遊び”が長さに比例して小さくなってしまいます。厳密に長さを決めないと長すぎてパーツが押されてしまったり、短すぎて接続不能になったりする場合があります。

今回はこういった事情も踏まえて現物合わせで微調整をしつつ長さ決めをしました。チューブが一定以上長くなる場合は、多少長めに設定しておけば余った分はチューブ自体が曲がって吸収してくれます。なので長い配管の方が簡単です。

ポンプの性能比較

DDC310ポンプの揚程は約2.3mとのことなので、DP-600Pの2.6mよりはやや劣ります。ただ我が家の水冷システムは今や実質CPUクーラーになっているので、十分なスペックに感じます。

騒音値はDDC310が25db、DP-600Pが26db以下という値になっていてほとんど拮抗しています。しかし、今回マウント方法をケース内に床置きからリザーバーポンプとして側面固定に変更したことが効いたのか、明らかに静かになったように思います。DDC310ポンプは大きな管路を組まないのであれば優秀な製品だと思います。

今回退役となったDP-600Pです。

PCの電源ユニット交換(2023)

先日電源ユニットの不調と思われる現象が見られたので部品を交換しました。交換した結果関連する現象は全て収まったので、原因は電源ユニットの経年劣化と判断して良さそうに思います。

交換した電源ユニット

今回故障したのはSeasonicブランドで販売されているOwltechのSSR-650RMという製品でした。故障したとは言え8年以上動いていたので、今回も同じブランドのPX-750Sという製品にしてみました。

パッケージはモノトーンの渋いものです。

この製品はフルモジュラー構造になっていて、必要なケーブルのみを接続することができるのでケース内の配線スペースが限られる際に便利です。また、ハイブリッドモードと称する静音運転モードを搭載しており、オンにすると低負荷の状態ではファンが停止します。

背面にハイブリッドモード切替スイッチがついています。

価格は少々高めになっていますがメーカー保証が10年間ついており、その内容も新品交換保証ということなので、品質にはかなりの自信を持った製品と言えそうです。10年間となると買った本人が保証があることを忘れていそうで心配です。

交換も問題なく行え、無事に動いています。

発生した現象

当初スリープから復帰できなくなる現象が発生して気がつきましたが、その後原因切り分けのために色々検証作業を行ったところ、他にも以下のような現象が見られました。

  • スリープからの復帰に失敗する
  • スリープからの復帰に失敗後、電源スイッチを入れ直しても電源が入らない
  • POST(起動直後の状態チェック)に失敗して起動しない
  • POSTに成功してもWindowsのログイン画面が表示された直後に電源が落ちる

今使っているマザーボードにはPOST中にどのパーツの状態チェックを行っているかがLEDで表示される便利な機能がついているのですが、それによればPOSTに失敗する場合はVGAのチェック時に失敗しているようでした。

また、時期的に朝晩の気温が低くなってくる時期で、PC全体が冷えている朝使い始める際にトラブルが起きたのも電源ユニットを疑うヒントになりました。

まだ軽症だったのか普通に起動さえしてしまえば何とか動作は可能で、使用中に急に電源が切れることはありませんでした。

PC電源故障の疑い

先日PCがスリープから復帰する時に復帰できず、そのまま電源オフの状態になってしまう現象が発生しました。その後改めて電源を投入したところ問題なく起動はしたのですが、この症状は少々いやな予感のするものです。

今まで自作PCの電源ユニットが故障した経験が何度かありますが、その時の主要な症状として、(特に室温が低い時に)スリープからの復帰に失敗する、電源が入らなくなるというものがありました。

今回は1回だけでまだ再現性がないですが、室温が徐々に低くなっているのは確実ですし、今後同じ不具合の頻度が増えることも予想されます。

過去のエントリを調べてみると今の電源ユニットに交換したのが2015年の8月ということですから、丸8年以上は使っていることになります。さすがに寿命でもおかしくない年数なので、これ以上深刻化する前に電源ユニットは交換してしまおうかと考えています。