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AMD at COMPUTEX 2024をゆっくり見る

ニュース記事で内容をチェックしたのみだったのでAMDの基調講演の動画をゆっくり見ました。

英語の聞き取りは全くと言っていいほどできないのですが、リサ・スーCEOは割と聞きやすくしゃべってくれるのでいつも助かっています。

全体を改めてみてみると第3世代Ryzen AIプロセッサの説明に長い時間が割かれているように感じました。パートナーの登壇も中身はほとんどRyzen AI搭載のモバイルPCの話だったので、この分野への注力のほどがうかがえます。

AM4製品もまだ投入されるとのことなのでAMDのプレスリリース資料も含めてチェックしてみました。

AMD Unveils Next-Gen “Zen 5” Ryzen Processors to Power Advanced AI Experiences

[amd.com]

7月に発売されるのは5800XTと5900XTで、それぞれ既存の5800Xと5900Xとスペック上は変わらないように見えます。AM4プラットフォーム用の新品CPUは特にハイエンド付近の製品が出回らなくなってしまったので、ここで新製品扱いでハイエンド付近のラインナップを投入してアップグレード需要を獲得したいという意図があるように思えます。

Ryzen9000シリーズが発表

開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2024で、新型Ryzenの発表があったそうです。

AMD、Zen 5採用で16%性能向上の「Ryzen 9000」

[PC Watch]

コア部分はアップデートされてZen5コアとなり、ソケットはAM5が引き続いて採用されるとのことです。まだ詳細については詳しく発表されていないようですが、Zen5コアはZen4コア比で最大16%の性能向上が見込めるとのことです。

7月にも発売ということなので、詳しい情報は今後アップデートされてくるものと思われます。

もう1つ興味深い情報として、ソケットのライフサイクル的な資料が発表されているようです。AMDプラットフォームはAM3くらいから非常に息が長く、マザーボードさえ故障しなければ同じプラットフォームがかなり長い期間運用できるようになっています。

今回の資料を見るとAM4は2025年まで製品を提供、AM5については2027年、場合によってはそれ以上の期間が設定されているように読み取れます。

私のPCも2021年以来X570搭載のAM4マザーボードですが、使おうと思えばCPUの載せ替えなどもしつつまだまだ使えるようです。Zen5は気になるのですが、現在のプラットフォームも少々もったいないので長期運用するのもありかなと思っています。

AMD Software 24.5.1がリリース

複数の新規ゲームタイトルに対応したバージョン24.5.1がリリースとなりました。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.5.1 Release Notes

[amd.com]

今回のアップデートでは

  • Ghost of Tsushima DIRECTOR’S CUT
  • Senua’s Saga: Hellblade II
  • F1 24

の3タイトルが新たにサポート対象になっています。特にGhost of Tsushima DIRECTOR’S CUTについてはサポート対象になると同時にHYPR-RX対応も完了しているので、なかなか力が入っている印象です。

今回のバージョンで新たにHYPR-RX対応したゲームタイトルとしてはStarfieldやThe Last of Us Part Iなどが挙がっています。

ゲーム中にディスプレイがブラックアウトする問題

最近ゲーム中(主にDiablo4)に一時的にディスプレイが真っ暗になり、1秒少々で復帰するという現象が発生するようになってしまいました。一時的なものとは言えゲーム中に発生すると結構ストレスです。

PCの構成は以下の通りです。

CPURyzen 5800X
メモリG.SKILL F4-3200C16D-16GTZN(16GB)
マザーボードASUS ROG STRIX X-570-F
ビデオカードASUS ROG STRIX RX7600
ストレージWestern Digital WDS500G3X0C(500GB)
OSWindows11 Home

直近でドライバのバージョンが上がっていたのでバージョンをロールバックしようかとも思いましたが、設定をあれこれ調整している間にリフレッシュレートを144Hzから120Hzにすると動作が安定することが分かりました。

何となくドライバのバージョン由来のような感じがするので、新ドライバが出るまでは120Hz設定で運用したいと思います。

AMD Software 24.4.1がリリース

4/25付けでバージョン24.4.1がリリースされました。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.4.1 Release Notes

[amd.com]

新規サポートタイトルとしてManor Lordsが追加されています。また、パフォーマンスに改善のあったタイトルとしてHELLDIVERS2が挙がっています。

修正された問題では特定のゲームタイトルとRX6000系の組み合わせでのトラブルが多く見受けられます。通常不具合が多いのはより新しい製品群のことが多いですが、6000系が多いのは珍しく感じます。

ちょっと変わった修正点としては”Microsoft Teamsで画面共有時にアプリケーションがクラッシュする問題”というものがあります。VGAという性質上、トラブルが発生するのはゲームアプリケーションであることが多いものですが、珍しくオフィス系のアプリケーションでの不具合があったようです。

AMD Software 24.3.1がリリース

バージョン24.3.1がリリースとなりました。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.3.1 Release Notes

[amd.com]

今回のバージョンでは新たにDragon’s Dogma 2・Horizon Forbidden West Complete Edition・Outpost: Infinity Siegeの3タイトルを新たにサポートしています。

また、HYPR-Tuneのサポートタイトルも追加されました。HYPR-TuneサポートのタイトルでHYPR-RXプロファイルを適用すると、パフォーマンスの最適化が自動的に行えるということだそうです。ディアブロ4がサポート対象になったので個人的にはうれしく思います。

不具合修正も色々と入っていますが、AFMFを利用している際に細かいカクつきが発生していた問題が修正されたとの記述があります。AFMFも出たばかりの技術ではあるので、不具合を感じている場合はドライバのアップデートをしてみる価値ありだと思います。

AMD Software 24.2.1がリリース

バージョン24.2.1がリリースされています。今回のバージョンは不具合修正を中心としたもののようです。

AMD Software: Adrenalin Edition 24.2.1 Release Notes

[amd.com]

今回新規にサポート開始されたタイトルはSkull and BonesとNightingaleの2つです。そのほかのほとんどの変更点は修正された不具合と既知の不具合の項目になっています。

見ていくと特に気になるのは「様々なゲームでのカクつきを改善した」というのものです。例としてBattleField2042やOverwatch2が挙げられています。私の環境でも先日のドライバ更新以降ディアブロ4で時折引っかかりを感じることが増えて気になっていました。AFMFの副作用かとも思いましたが、ドライバの不具合の可能性があるのであれば更新して様子を見たいところです。

個別のゲームタイトルではHELLDIVERS2に関する記載が多く感じます。修正された不具合もありますが、既知の不具合も残っています。現状あまりRadeonとの組み合わせが良くないタイトルなのかもしれません。

また、ドライバアップデート時にゲームの動作プロファイルがHYPR-RX Ecoになる場合があるようです。この場合はプロファイルの再設定をする必要があるとのことです。

Ryzen8000Gシリーズのベンチマーク

2月初旬の発売に先んじて、PC Watchさんでベンチマーク記事が公開されていました。

ついにデスクトップにも到来!待望の高性能APU「Ryzen 8000G」をテスト

[PC Watch]

今回のシリーズは型番こそ8000となっていますが、モバイル用の8040シリーズをデスクトップ用にしたような構成になっており、現行のRyzen7000シリーズの上位版という位置づけではないようです。

特徴はRDNA3ベースのGPUを内蔵していることで、これによりGTX1650クラスの描画能力を持つとされています。

ゲーム性能では軽いゲームであれば問題なく動作し、多少重いゲームであっても設定を落とせば動かないレベルではないというくらいの性能は有しているようです。ゲーム以外でもAI関連処理など最近はGPUで処理をするワークロードがあるので、それらにおいてはかなり強みを発揮できそうです。

少々気をつけたいのはGPU用のPCIexレーンが8xになっている点です。記事中でもRTX4090を使ってテストが行われていますが、高速な単体GPUと組み合わせて使った場合、レーン不足で十分な性能が発揮できない可能性があります。8000Gシリーズは基本的にはCPU1本で使うことを想定した方が良さそうに思います。

まだこれからの機能だとは思いますが、Ryzen AIと称するAI用NPUが搭載されている点も注目ポイントだと思います。まだ対応しているアプリケーションが多くないようですが、Ryzen AIに限らず、今後端末側にこういったAIアクセラレータが搭載される例は増えてきそうに思います。

AFMFの動作テスト

24.1.1で使えるようになったAFMFによるフレーム補間を我が家の環境でも試してみました。

我が家のPCは以下のような構成で、ゲーム用としては少々控えめなスペックです。

CPURyzen 5800X
メモリG.SKILL F4-3200C16D-16GTZN(16GB)
マザーボードASUS ROG STRIX X-570-F
ビデオカードASUS ROG STRIX RX7600
ストレージWestern Digital WDS500G3X0C(500GB)

ディアブロ4

とりあえず新しいゲーム代表としてディアブロ4です。解像度WQHD・描画クオリティ高という条件でAFMFによりどのくらいフレームレートが変わるかを見てみました。

結果、通常110前後のところ200近くまで平均値が上昇することを確認できました。
ディアブロ4はFSR2に対応しているので、元の描画解像度をフルHDにし、WQHDに伸張することで最高240近くまでフレームレートが上昇します。

実際に操作してみると、確かに急に重くなる場面でのわずかな引っかかりが軽減されているような感じはします。

こんな感じでゲーム画面に測定結果をオーバーレイ表示することができます。

Kenshi

続いて、DirectX11世代のゲームとしてKenshiで実験をしてみました。描画がリッチなタイトルではないですが、画面内の情報量が多いせいなのか意外に重いゲームです。解像度はフルHD・テクスチャは高品質・地形の精細度を高とし、それ以外はデフォルトの設定としました。

こちらはフレームレートが100から200くらいに上昇しました。ただ、そもそもがアクション性の高いゲームではないのでそこまで変わった感じはしませんでした。

実験してみて

試してみた結果、確かにDirectX11または12世代のゲームならAFMFは機能する事が確認できました。
一方で、補間結果をフレームレートの数字以外で定量的に把握することはできませんでした。
ディアブロ4などでは時々残像めいた絵が見えることがあるのですが、いかんせん主観的なものなので気のせいかもしれません。これは普通の画面キャプチャーなどでは判定が難しいように思います。IT系のメディアでAFMFの詳報が出るのを期待したいところです。

RX7600XTが登場

年明けに予告されていたRadeon RX7600XTが日本国内でも発売となったようです。

フレーム生成で性能2倍!?メモリ倍増でスペックも向上した「Radeon RX 7600 XT」

[PC watch]

この製品はRX7600に大してVRAMを16GBと2倍に増やし、なおかつクロックスピードも向上させたというモデルになっています。昨今RTX3060の12GB版など、必ずしもハイエンドラインの製品でなくてもVRAMが多いモデルが人気ということもあってか、Radeonにも似たような立ち位置の製品が投入されたようです。

性能の方はクロック分とVRAM分で順当に伸びているように感じますが、消費電力が少々増えた関係で電源コネクタが8pin+6pinになっています。無印のRX7600は8pinのみでよく、このおかげで取り扱いがしやすいのですが、コネクタ2本になるとやはりどうしてもちょっと大掛かりな感じにはなってきます。

国内の初値は5万円台後半~6万円台前半ということで、昨今の高騰化するビデオカード界においては比較的手に入れやすい価格だと思います。RX7700XTと価格差がそこまで大きくないので、もう少し価格がこなれてくると魅力が出てくるのではないかと思います。