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長野電鉄が運賃値上げを申請

7月31日付で長野電鉄が旅客運賃の上限変更認可申請、いわゆる運賃値上げの申請をしたというニュースがありました。Webサイトに詳しいリリースも出ていました。

鉄道旅客運賃の上限変更認可申請について

[長野電鉄]

改定率は平均して26.5%となるそうで、初乗り運賃は大人170円が210円となるそうです。(23.5%増)始発駅の長野から終点の湯田中まで乗ると1,190円が1,660円となります。(39.5%増)

通学定期券の割引率について

全体的には短距離ほど改定率が低く、長距離ほど改定率が高く設定されているようです。また、一方で通学定期券の割引率は67.0%が69.2%となり、割引率が向上することによって運賃改定の影響が多少緩和されるようになっています。

例えば長野-附属中学前の6ヶ月通学定期券を購入すると現状では40,830円となります。切符だと片道330円x2(往復)x180(日)=118,800円なので、割引率は65.6%になります。恐らく2%程度割引率が上がることになると思われるので、新割引率を67.6%と仮定します。

改訂後の運賃で計算すると片道410円x2x180=147,600円で、これに対して割引率67.6%を適用し、47,822円→47,830円が新定期料金として想定されます。もし割引率が現状のままだとすると50,780円になると思われるので、これは結構大きいと思います。

設備投資について

リリースの中では今後の設備投資予定についても言及されています。特に”自動出改札システム”による業務の省力化が目玉と位置づけられているようです。導入時期や内容は未定とされていますが、いわゆる交通系ICカードの導入のことを指しているのか、または何かほかの要素と複合したシステムなのか気になります。

投資計画もリリースに掲載されていますが、特に2025年度と2026年度は支出規模が大きくなっています。こちらもいつどういった内容が発表になるか気になるところです。

JR東日本のえきねっとQチケサービスが東京都区内にも拡大

JR東日本が展開しているQR乗車券サービスのえきねっとQチケがエリアを拡大し、2025年の10月からは郡山以南の東北新幹線沿線と東京都区内でも利用できるようになるそうです。

「えきねっとQチケ」サービスエリア拡大 東北エリアから首都圏へのご利用が便利になります![PDF/948KB]

[JR東日本Webサイト]

えきねっとQチケは昨年福島県に出かけたときに利用しましたが利用体験はなかなかいいものでした。QRコード読み取りということで反応速度面がNFCと比べてどうかなと思っていたのですが、特に違和感なく利用できました。チケットの購入もえきねっとチケットレスアプリでSuica特急券と同じような要領で可能なので便利に感じました。

JR東日本としては自社エリア全域にえきねっとQチケを展開することを計画しているそうで、今回のプレスリリースによれば2026年度下期には上信越エリアにも拡大、2026年度末をもって自社エリア全域で利用可能になる見込みということです。

今年の3月にSuica対応した長野駅の自動改札機もQRコードが読み取れる準備はされている様子だったので、長野県内でもQR乗車券が使えるようになるのが楽しみです。

市町トンネル

小諸駅の近くにある市町トンネルを見に行きました。このトンネルは元々信越本線の鉄道トンネルで、鉄道が通らなくなった後も道路用のトンネルとして利用されていたそうです。老朽化のためなのかつい最近通行できなくなってしまったそうです。

こちらは小諸方の坑口です。電源は切られていますが、道路トンネル時代は上の信号機で通行を制御していたようです。単線トンネルだと思われるので中で自動車同士のすれ違いはできなかったのだと思います。

写真左上に写っているのが現在のしなの鉄道の線路です。

こちらは上田方の坑口です。

よく見たら高さ制限のための柵は廃レールで作られていました。UNION 1922と読み取れます。

トンネルを出た後の線路跡は道路に転用されていますが、それほど長さがあるわけではないようでした。一応現在の線路と合流する手前まで見に行ってみました。

トンネルの竣工がいつ頃なのかは分かりませんが、せっかくの鉄道トンネル遺構なのに通行止めになってしまっているのが少々もったいなく感じます。同じ信越本線の旧戸草トンネルのように通ってみたいものです。

2026年春以降に大糸線の信濃大町駅と白馬駅でSuicaが利用可能に

2025年3月に長野県内でSuicaが使える駅が増え、大糸線では北松本-穂高駅間が新たにSuicaエリアに加わりました。

来年春予定ということですが、大糸線の信濃大町駅と白馬駅でもSuicaが利用できるようになるそうです。

大糸線における Suica ご利用駅の追加について

[JR東日本Webサイト] ※PDFのニュースリリースが開きます

この2駅は特に観光需要が多い駅ということでスポット的にSuicaを利用可能にするそうです。

首都圏からこれらの駅に鉄道でアクセスする場合は松本まで特急あずさで来て、そこから大糸線に乗り換える経路を採用することになると思います。

特急あずさのきっぷはえきねっとチケットレスが使えるので、乗車券と特急券はSuicaに紐付けて購入することが多いと思います。信濃大町や白馬でSuicaが利用可能になると、松本からの乗り越し分がそのままSuicaで決済できて便利そうです。

交通系ICのエリアは基本的に面的に拡大するものとばかり思っていたので、この発表は意外に感じました。

安茂里駅

新たに篠ノ井線や信越本線でもSuicaが利用可能になったということで、サイクリングがてら信越本線の安茂里駅を訪問しました。

階段の上に係員ブースのようなものが見えますが無人の駅です。

北信地域から見るとなんとなく長野-松本間は一体の路線という認識をしてしまいがちですが、篠ノ井線は篠ノ井までで、篠ノ井から長野の間は現在も信越本線という取り扱いになっています。

安茂里駅は信越本線の中ではかなり新しい部類の駅で、開業したのは1985年です。ちょうど40周年となります。ほかの信越本線の駅は明治時代や大正時代の開業です。

乗り場には直江津方面の文字があり、長野-直江津間が信越本線だった頃を思わせます。

目当ての簡易型Suica改札機を確認しました。安茂里駅に設置されているのは入場と出場が兼用になっているものです。これ以外にも入場機と出場機が分かれているものもあるそうです。

左にあるオレンジ色の箱は何かというと”乗車駅証明書発行機”です 。Suica以外で乗車する場合はこの機械で証明書を発行し、着駅で、または乗車する列車の車掌に渡して運賃精算をするという仕組みになっています。

Suicaの使えるようになった長野駅

2025年3月15日よりSuicaの首都圏エリアが拡大され、従来松本駅までだったSuicaエリアが篠ノ井線では長野駅、大糸線では穂高駅まで広がりました。

事前にSuica対応の自動改札機に入れ替えるとことまでは完了していたのですが、いよいよ実際にSuicaでの乗降が可能になりました。

長野駅に行く用事があったのでしばらく見ていましたが、現在時点では磁気定期券を持っている人が多いのでまだそこまでSuica利用者は多くないように感じました。一方でさっそくモバイルSuicaを使っている方も見受けられました。

大変そうだなと思うのはしなの鉄道です。長野駅から乗車する場合、上田や小諸などしなの鉄道方面に行く場合は引き続き紙の切符が必要なので、旅行の場合などは特に事前のルール把握が必要という感じです。

下仁田駅周辺の廃レール構造物

鉄道旅行の時に線路や駅の周辺で廃レールを使った構造物がないかを探すのが好きです。刻印を見ると100年以上前のものが見つかることもよくあるので、歴史の長さが感じられてとても興味深いものです。

先日上信電鉄の下仁田駅まで行ったときに、下仁田駅周辺でも何点かこういった構造物を見つけました。

まずはこちらの駅近くの柵です。
UNION 1922 と読み取れます。
次にこちらの架線柱です。
BARROW STEEL SEC166 1894 と読めますがやや自信がないです。

特にこの緑色の架線柱はほかの場所にも設置されている様子でした。こういったレールの来歴も何らかの方法で調べてみたいものです。

JR東海&16私鉄 乗り鉄☆旅きっぷがリニューアル

先日JR東日本の週末パスが販売されなくなる話題を取り上げましたが、こちらはリニューアルです。

2日間乗り放題「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」リニューアル。お値段そのまま、平日も一部で利用可能に

[トラベルWatch]

表題のJR東海&16私鉄 乗り鉄☆旅きっぷはJR東海版の週末パスのようなきっぷで、現行では土休日の連続する2日間にJR東海区間の普通車自由席と私鉄16路線が乗り放題になるというフリーパス型のきっぷです。

特急券と組み合わせると特急列車に乗れるのも同様です。東海道新幹線にも乗車できますが、4回までという回数制限があります。

今回のリニューアルで現行の土休日利用から、”土日を利用開始日とする2日間”に利用期間が変更になるそうです。そのため日曜-月曜や、月曜が祝日の場合は月曜-火曜でも利用が可能になるそうです。利用できるタイミングがかなり増加することになります。

東海地域はあまり鉄道に乗りに行ったことがないのと、一応長野県内もかなりのJR東海区間があるので興味があります。ただこのきっぷはフリーエリア内の主要駅でしか販売しておらず、しかも長野県内のJR東日本との境界駅(塩尻や辰野)では販売されていないというものです。

長野県内から現地に向かって利用するには行程含めて工夫が必要そうで、うまい利用方法の検討も含めて楽しそうなきっぷではあります。

週末パスを含むJR東日本のおトクなきっぷが一部終売

期間限定のトクだ値(Suica乗車割引)が設定される一方で、週末パスなどのおトクなきっぷが終売になってしまうそうです。

新幹線eチケットや在来線特急が5月に半額。はやぶさ/はやて/こまち/ひたち/踊り子/スペーシア日光ほか

[トラベルWatch]

週末パス

週末パスはその名の通り任意の土日に利用できるフリーパス型のきっぷです。乗り降り自由のエリアが非常に広く、関東全域から南東北までが乗り降り自由になります。また、別途特急券を購入すると特急や新幹線にも乗ることができます。

地方私鉄の多くの路線が乗り降り自由になるのも良いポイントでした。

以前このきっぷを使った旅行をエントリに書きました。

週末パスを使った鉄道旅行

乗り降り自由の範囲が広くて旅程のアレンジが楽しい切符でしたが、この2025年6月末をもって発売されなくなるそうです。

首都圏週末フリー乗車券

こちらは首都圏では販売されていないのでちょっとマイナーなきっぷかもしれません。東北新幹線、または北陸新幹線の駅から首都圏フリーエリアまでの往復乗車券と、首都圏フリーエリアの乗り降り自由乗車券がセットになっているというものです。新幹線に乗って首都圏に向かい、週末首都圏で用事を済ますときに便利な設定になっています。

価格は長野発の場合は大人6,600円となっており、首都圏フリーエリアの北端である大宮まで往復するだけでも元が取れます。(長野-大宮間は6,820円)

ほとんどの場合首都圏で多少の乗り降りをするので、目的地や乗り降り回数によっては結構おトクになるというきっぷです。

難点としては特急券はセットになっていないので、別途購入する必要があることです。また、有効開始日前日までに購入する必要もあるため、急きょ関東に行く場合などに使いにくいという弱点もあります。

長野に来てからしばらくはよくお世話になりましたが、上記のデメリットもあり最近はもっぱらSuicaで乗車するようになりました。

こういった特殊なルールのきっぷがなくなってしまうのは少々寂しい気もしますが、JR東日本としてはSuica乗車にインセンティブをつけてSuica乗車を促したいという意図があるのも理解できるので、やむを得ないかなという感じもします。

上信電鉄の旅の写真(3)

下仁田駅周辺の散策を終え、下仁田駅から高崎方面へ移動しました。

上信電鉄の車両と線形

上信電鉄は運用されている車両の種類が多く、それぞれラッピングが施されているのでバリエーションが豊かに感じます。今回往路は700形、復路は250形に乗車しました。

700形は比較的最近導入された車両で、もともとJR東日本の107系だった車両ということです。昔の国鉄車両のようなモーター音のする車両でした。

250形は自社で発注した車両ということで、なぜか車内の各とびら付近に車掌が取り扱うドア開閉スイッチがあったり、網棚の上に空気清浄機が設置されていたりといろいろとユニークな点がありました。

線形は全体としてみると東西の直線区間が目立ちはしますが、高崎付近と下仁田付近には結構急なカーブもありました。カーブ区間はかなり強めに傾斜がついているので、車体も大きく傾斜しながら走行します。

高崎駅周辺では住宅地を縫うように走行し、鏑川を渡ると直線区間主体に、下仁田駅の手前では渓谷のような区間もあり、乗り通すだけでいろいろなシーンが楽しめる路線だと思いました。

佐野のわたし駅

今回ぜひ立ち寄りたかったのが佐野のわたし駅です。この駅は北陸新幹線に乗っている時に金沢方面に向かって左手を見ていると駅と線路がよく見えます。駅舎の屋根に駅名も大きく書かれていて前から気になっていました。

渡し舟を模した門(?)があります。
プラットホーム全景です。

写真にも新幹線の高架橋が写っていますが、距離がこのくらい近いので新幹線からはよく見えます。この駅が見えるともう間もなく高崎という目印になっています。

こちらは下仁田方面で、烏川という川を渡ります。結構長い鉄橋なのですがトラスがないので、側面から電車を見るのもよさそうです。

こちらは高崎方面で、ここから先は住宅地の中を抜けていく区間となっています。

駅前にはちゃんとトイレもあります。

そんなわけで気になっていた佐野のわたし駅もじっくり観察できて満足しました。

上信電鉄は今回初めて乗車しましたが、車両や沿線風景もいろいろとありかなり楽しめました。途中下りずに通り過ぎてしまった駅にも気になる設備や建物などがあったので、また機会を見つけて来てみるのもよさそうです。