今回は65番の ぐるっと回る加須全域ルート を走ってみました。加須という地名は東北道のインターチェンジ名でおなじみですが、”かぞ”と読みます。鯉のぼりの生産で有名な市です。
今回のルートはこの加須市を合併した旧大利根町や旧騎西町、旧北川辺町に至るまでぐるっと大回りするルートです。総距離はルートラボ上に展開すると70kmとなり、ルート100の中では長めのルートです。区分は一般向けになっていますが、これは健脚者向けと言えそうです。
まずは東武伊勢崎線の加須駅からスタートです。東武ストアと一体化した大きな駅舎です。
駅からまっすぐに県道411号→38号と進みます。駅前は商店街などあって賑やかです。その分交通量も多く、左右へ出入りする車が多いので要注意です。
写真は市役所前です。
加須市役所(北)交差点を左折して国道125号BPに入ります。途中まで片側2車線あるので車道走行したくなりますが、途中から車線が減少する上に陸橋なども控えているので、歩道通行が無難です。
歩道はご覧の通りちょっと車道と離れているので、車道と交差する時は左右を念入りに確認した方が良いです。
下川崎(東)交差点を左折して今度は国道122号BPに入ります。こちらも先ほどの125号BPと似た雰囲気の道路で、歩道通行が無難です。幸い歩道は比較的良く整備されています。沿線にあまり店舗や工場がなく、出入りする車は平均より少なく感じました。
途中にある玉敷神社です。長い参道が特徴的です。703年に創建と伝わる延喜式内社です。
しばらく走って芋茎交差点を左折し、今度は県道149号を走ります。まっすぐな走りやすい道路ですが、割と交通量は多めです。
途中の常泉交差点です。
常泉交差点の崎で右折し、用水路沿いを走って行きます。ここまで交通量の多い幹線道路が続いたので、一息つける区間です。
その後県道370号に合流し、加須はなさき公園の前を通ります。県立の公園で加須はなさき水上公園とも言われます。水上公園というのは物のたとえで、池やプールが充実しているからかそう呼ばれるようです。
加須はなさき公園を後にし、花崎駅付近の市街地を通ります。コンビニが多いのでここで休憩を入れておくと良いです。
この辺からルート100の案内看板が増えてきます。このルートの案内看板は少し大きく、カラーリングも青が濃い感じです。整備する県土整備事務所によって違いがあるのか、年代によるものなのか詳しいことは不明です。
花崎駅を過ぎたら川口中央通りという工業団地へ向かう通りを走ります。
交通量も少なく、かなり走りやすい道路です。沿道の桜並木もきれいです。
そのまましばらく一直線の道路を走ると右手に見えてくるのが 童謡のふるさと大利根アスタホール という生涯学習施設です。トイレや自販機があります。
この後県道60号にぶつかるので左折し、平行する用水路沿いの遊歩道を走ります。
県道60号はとにかくまっすぐです。
途中で右に入ると利根川に出ますが、堤防沿いにカスリーン公園という防災施設が整備されています。このカスリーンという名称は1947年に日本を襲ったカスリーン台風という台風に由来します。
カスリーン台風襲来時に利根川のこの付近で堤防が破堤し、深刻な洪水被害が発生したそうです。この付近はそれ以来洪水時の要警戒区間とされており、堤防の厚さを強化した上でその上に防災用の資材や設備を配置し、防災公園として整備しているそうです。
台風の記念碑があります。
南方向には富士山も見えます。市街地との落差から堤防の高さがお分かり頂けるのではないかと思います。
ここからは利根川の堤防天端を走って行きます。かなり快適に走れるサイクリングロードです。
埼玉大橋という橋にさしかかったところで一旦利根川サイクリングロードを降り、県道46号に入ります。
橋の南端に 道の駅童謡のふる里おおとね があります。
難所・埼玉大橋
ルートはこの後利根川の北側の北川辺区域に入るのですが、問題がこの埼玉大橋です。
車道の路側帯にほとんど余裕がなく、かといって歩道もせいぜい点検路程度の幅員です。利根川の橋が限られているために交通量も多く、車道通行はまずやめた方が良いと思います。
歩道は歩道でまた問題があり、坂になっている部分は幅員がせいぜい1m程度しかなく、車道との段差も20cm近くあります。右に転倒したら間違いなく致命的な事態になるので、それだけは避けなければいけません。
とにかく軽いギアでフラフラしないように登るか、自信がなければ降りて押すのも良いでしょう。
橋の上部は縁石が削られており、カラーペイントの歩道が樹脂製のポールで仕切られているという構造です。縁石を削る作業は最近行われたらしく、Googleストリートビューで確認できる2012年の情報では橋の上部も完全に縁石仕様となっています。以前より多少安全になったと言えそうです。
幅員も少しは広がっているので、両者が自転車を降りれば離合も可能そうです。一方でなぜか橋の上部はやたらとガラス片が散乱しており、通行に気を使います。見えないものはもうしょうがないですが、見えるものについてはできる限り回避していくことが必要になります。
埼玉大橋を過ぎると北川辺に入ります。
まっすぐな県道368号を東に走っていきます。
東武日光線の築堤をトンネルでくぐり、渡良瀬川の堤防下の道路を走ります。
この区間は並行する国道354号や県道9号があるのですが、一切幹線道路を使わずにほぼ同じルートを通るように設計されています。工夫されていると感じる区間です。
渡良瀬川沿いを走って行くと新古河の駅に出ます。
分かりにくいですが、駅前のこの道路に入っていきます。こんな感じでなんとしてでも幹線道路を使わずに幹線道路沿いに走るルートが組まれています。
堤防下を走り続けると道の駅きたかわべに着きます。
その後県道354号に合流します。
県道354号を少し走ると川にさしかかりますが、手前で左折し川の堤防に出ます。この川は全然水がないので不思議に思いましたが、合の川という廃川なんだそうです。江戸時代に利根川の流路変更などの兼ね合いで廃川になってしまったものの、一部沼地は残り、また堤防もかなりの部分が現存しているそうです。
県道368号に戻り、埼玉大橋方面へ向かいます。
またしても難所埼玉大橋を越え、利根川サイクリングロードに復帰します。
途中に加須未来館という宇宙関連の展示施設があります。自転車を借りることもできるようです。
羽生スカイスポーツ公園でサイクリングロードを降ります。案内看板が見当たらないですが、この巨大な遊具を目印にすれば簡単です。
県道366号で一気に南下していくと県立羽生水郷公園があります。水族館も併設されている巨大公園です。
向かいはキヤッセ羽生という農産物直売所のような施設です。
県道84号で少し東進して南下すると加須駅までは一直線です。
まとめ
ぐるっと回るの名に違わぬボリューム満点のルートです。観光や立ち寄りよりも走りにこだわりたいという方もこのルートは納得の内容なのではないでしょうか。
全体的に直線基調の見通しが良い道路が多く、信号も少ないので日常的に走る道路が市街地中心だと爽快な気分が味わえそうです。
唯一残念なのは埼玉大橋で、埼玉大橋の難所ぶりで損をしてしまっているように思います。