横須賀水道をたどる

前々からやろうと思っていてやっていなかった横須賀水道(半原系統)を自転車でたどるツーリングをしてみました。

なんで上水道とツーリングが関係あるのかというと、基本的には水道管路の上に道路が通っているので、地図上では横須賀水道は”妙に直線の長い道路”として出現します。
後から家を建てられたりするとメンテナンスができなくなってしまうので、管路の上は公共の土地にしておく必要があったのだと思います。
成り立ちの面白い道路を自転車でたどってみようという試みです。

横須賀水道についてですが、横須賀は三浦半島に位置しているので水源にあまり恵まれておらず、遠く相模川や宮ヶ瀬付近から上水を確保する必要があるんだそうです。
いくつかある系統の中で距離が長いのが半原系統です。
その名の通り宮ヶ瀬ダム直下の半原から横須賀市の逸見浄水場までを結んでいる系統です。

この半原系統は設備の老朽化のため2015年の2月28日をもって廃止されています。
完成したのは1921年ということですから90年近く稼働していたということになります。

ルートについては原則として管路上の道をたどることにし、不明な部分や通行が困難な部分については通行しやすさを優先しました。
地図上でルートが読み取れなかった部分については横須賀市上下水道局のWebサイトの情報なども参考にしました。

ルートはこんな感じになりました。

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まずは半原の水源地からスタートです。
海からかなり離れたこの場所に横須賀市の施設があるのかが不思議に感じるところです。
向かいに若宮神社があり、旅の安全祈願をしました。

しばらくは県道54号を通ります。
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途中の馬渡橋はまだ架け替え中ですが、橋の横には何かの管路が見えます。
横須賀水道の施設ではないかもしれませんが、このような橋は管路が目視できるので要注目のポイントと言えます。

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途中の田代交差点と箕輪交差点の間を右に入ります。

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愛川町で水道みちという愛称をつけてくれています。

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とにかくまっすぐな道路です。ここで一旦下りますが、ちょっと走ると中津交差点の手前で平均勾配15%近い直登が出現します。
距離は300mくらいなのでどうにかなりますが、しんどいです。
この急な下り→急な登りは今後何度か登場します。

この急に下る→急に登るというパターンは何回か横須賀水道ツーリングに登場します。

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中津川と相模川に挟まれた台地の上を走っていきます。
愛川町内の水道みちは地域の生活道路+抜け道という感じで狭いながらもかなり交通量はあります。
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途中の中津工業団地のあたりは工業団地だけあって快適です。

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厚木市内に入ると幅員が狭くなり、走りにくくなってきます。
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こんな感じで普通車1台分ちょっとの幅です。
一方通行規制もかかっていないので、要所にある待避所風のスペースを使いながらうまいことすれ違っていきます。

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厚木市環境センターの横にある水道橋までやって来ました。
残念ながら自転車が通れる橋はないので近くのあゆみ橋までう回します。

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反対側がこんな感じです。
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水道みちはまっすぐ続いていきます。

相模川を渡って海老名付近にやってきたわけですが、海老名付近の水道みちは緑道になっています。
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不確実ですが、自転車歩行者用という扱いになっているようです。
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残念なことに分断が激しいのと未舗装区間もあるのでここはう回します。

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一気に東名高速道路の海老名SA付近まで来ました。
このあたりからはまた車道になっているのでトレースを再開します。

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またまたまっすぐです。
ここも下り→登りという風になっています。かなり先まで見えるので面白いです。

この後横須賀水道は東海道新幹線と交差していすゞ自動車の工場の下を通過します。
未舗装区間になるのと、工場内はもちろん道路がないのでここはう回します。

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いすゞ自動車の工場のすぐ南側からの写真です。
基本的に水道管の上は道路になっていますが、なぜここだけ上に大きな建物が建っているかはちょっと気になります。
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同じ場所から藤沢方向です。まだまだ続いていきます。

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この後引地川を横断しますが、ここは道路が水道に沿っていないのでちょっとごちゃごちゃします。
あいにく工事中で至近距離で撮影できませんでしたが、横須賀水道はアーチ状の水道橋で引地川を渡ります。

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続いて小田急江ノ島線と交差した直後の写真がこちらです。線路の東側から西側を撮影しています。
なんとなく見通しがいいのがお分かりいただけるのではと思います。
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藤沢街道に向かってまっすぐ伸びていきます。

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次に交差するのは境川ですが、その境川の手前の乗り合いタクシー停留所の名前に水道みちの名前がありました。
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境川を渡ります。
この水道橋は特徴があるので、境川サイクリングロード愛好家にとってはおなじみかもしれません。
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渡った後もまっすぐ続いてきますが、藤沢市の施設の敷地内なので遊行寺坂上までう回します。

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遊行寺坂上まで来ました。
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ここからまた下っていきます。

次に交差するのは東海道線の線路ですが、同じく交差している県道312号の陸橋の下に歩道橋があります。
自転車を降りれば歩道橋で渡れます。
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こっちから来て…
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こっちへ向かいます。

東海道線を渡ると県道32号に入ります。
そのまま有名な大仏の付近まで行きます。
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鎌倉市内の材木座にはそのものずばり水道路という交差点があります。
そのまま県道311号で逗子方面へ向かいます。

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逗子の駅前です。この下にも横須賀水道が通っています。
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逗子駅前のロータリーからまた道が伸びていきます。

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その後、横浜横須賀道路の逗子IC付近で水道管が見える場所があります。
恐らく半原系統も横須賀線の線路と同じような感じで田浦の方に抜けていると思うのですが、この先がどうなっているのかは今ひとつわからず、です。
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伸びていっているのは分かります。

間違いないのはゴールが逸見の浄水場だということです。
浄水場には行ってみました。
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入り口のゲートまでは恐ろしいことに20%以上の勾配のついた坂です。
距離で言えば100mちょっとしかありませんが、それでもこのレベルの勾配がついた坂がこれだけまとまっているのは珍しいと思います。
短いながらも達成感はなかなかです。すごく見晴らしがいいというわけではないですが、旅の終わりに見るには良い風景だと思いました。

横須賀水道はいわゆる快走できる道路かと言われると全くそんなことはありませんが、
お題に沿ってルートをクリアしていくラリー的な面白さはかなりあると思います。
ちょっと歴史にも興味のある方、都市型の急勾配が好きな方なんかには特にオススメします。

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