西天竜幹線を使って伊那谷を走る

先日輪行で伊那谷のサイクリングに出かけました。

伊那谷を訪問するときは毎回ルートの設計に悩みます。自動車で考えれば国道153号(および国道153号バイパス)と県道88号、西伊那広域農道が便利だと思います。

しかし上に挙げた路線はあまり幅に余裕がないので、少々自転車向きではないように感じます。前回訪問したときはこれらのルートは避け、最も西側の県道203号を利用しました。長野県を一周できるJapan Alps Cycling Roadではこのルートを採用しています。

別のルートがないか調べていたところ、天竜川右岸に”西天竜幹線”という用水路があることに気がつきました。用水路に沿って道路があり、自動車用としては少々手狭なので自転車に向いていそうに感じました。

雰囲気は埼玉県の見沼代用水沿いに似ています。
通称は西天竜水仙ロードというそうです。

路線の特徴

実際に走ってみると車もほとんど通らず、県道203号ほどアップダウンがないので自転車用としては非常に良いルートではないかと思いました。ところどころ路面状況が良くないのが難ですが、ツーリング的な走行であれば楽しく走れる部類だと思います。

路面状況は多少荒れ気味という感じです。南側の方が相対的にきれいです。

円筒分水

この西天竜幹線にはちょっと変わった設備があります。まず目に付くのは円筒分水群です。

円筒分水というのは水路の水を分割する時に使う構造物で、円筒状の構造物の底に水路の水を引き込み、円筒を角度で区切ることで水を分割するというものです。

黄色い部分に仕切りがあるので、青着色した部分:赤着色した部分の比で水が分割されます。

水は円筒の底から均等な高さで上昇してくるので、区切った角度に応じてほぼ正確に分割が行われます。首都圏だと川崎市高津区にある久地円筒分水が有名です。

西天竜幹線にはこの円筒分水が要所にあります。

水道橋

途中北ノ沢川を用水路がくぐるサイホン区間があります。サイホン設備に関しては地上から見えませんが、サイホンになる以前に使われていたという水道橋が現存しており、上を通ることができます。

水道橋は昭和3年に完成したものだそうで、築94年にもなります。かなり貴重なコンクリート構造物なのではないかと思います。

地元の小学生の皆さんが作ってくれたらしい解説板のおかげで理解が深まりました。

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