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FL STUDIO21.2がリリース

新機能としてFL Cloudが追加されたFL STUDIO21.2がリリースとなりました。

動画内でも冒頭から長い時間をかけて説明されているのがこのFL Cloudなのですが、サウンドライブラリ・自動マスタリング・曲の提供という3つの機能を持っているサブスクリプション型のサービスということです。

サウンドライブラリがサブスクリプションというのは何となく他にもありそうな気がしますが、自動マスタリングと曲の提供プラットフォームを提供しているのはユニークに感じます。

動画を見ていると自動マスタリングが非常に便利そうです。プロジェクトファイルからラウドネスの値と曲のジャンルを選択するとおまかせでマスタリングが完了するというものです。しかも複数種類のマスタリングを同時にかけて、結果を比較することも可能になっています。

これらのサービスは動画を見る限り本体とシームレスに使えるように統合されているようです。

料金体系

料金の方は月$7.99または年払いで$79.99ということです。年払いすると日本円換算で年12,000円というところです。現在初年度限定で年間$49.99で利用することができます。

また、サブスクリプションではなく買いきりで契約したいというユーザーのために、単発での契約も用意されています。これは$6.99で100クレジット分のポイントが購入できるというもので、これを任意のサンプル素材などの購入に使うことができるようです。またこのクレジットは利用期限もないということなので、そこまで頻繁に使わない場合はこちらの契約も良いかもしれません。

FL STUDIOは本体ソフトウェアが買いきりで生涯無料アップデートをうたっているのが特徴です。昨今色々なソフトウェアやサービスがサブスクリプション化していますが、FL STUDIO本体は相変わらず買い切りのままです。

こういった事情もあり本体の維持費は全くかからないので、それにプラスして月1,000円くらいであればそんなに高くないように思えます。あとは仕方ないことですがドルでの価格設定になっているので、もうちょっと円が高いとありがたかったかなあというところです。

FL Studio21.1がリリース

21からおおよそ8ヶ月ぶりにバージョンが上がりました。今回はどれもなかなか面白そうな機能が揃っています。

ピアノロールでのスケールスナップ

従来FL Studioには事前に主音とスケールの種類を指定することで、ピアノロールにスケールの音階をハイライト表示する機能がついていました。今回実装された機能はその強化版で、設定したスケールの音階にのみノートを配置できるようにするという機能です。

非常に良くできていて、複数のノートをまとめて移動させた時でも設定されたスケールの音階のみにノートが配置されるようになっています。

私のような音楽が良く分かっていない人間にはとても助かる機能です。これをオンにして適当にノートを並べてみるだけでも、結構それっぽいものができるかもしれません。

Edisonのクリッピング修正機能

Edionに新しくAIベースのクリッピング修正機能が追加されました。デモを見る限りピークを任意に設定し直すことで、いわゆる音割れを起こしてしまった音声を割れていない状態に修復できるというものです。動画中のデモではかなり劇的な効果を生んでいます。

Hyper Chorus

新しいプラグインエフェクトとしてHyper Chorusが追加されました。その名の通り音声にコーラスのような効果を追加できるものなのですが、結構激しく効くのでコーラスと言うよりは一種の音作りアイテムのような感じです。

FL Studio 21がリリース

バージョン21がリリースになりました。バージョン20が出たのは3年前なので、久しぶりの1の位のバージョンアップとなっています。

新要素の紹介動画はていねいなこともあって24分近い大長編となっています。私もさっそくアップデートして新要素をチェックしています。

ブラウザの改良

ファイルやプラグインを検索できるブラウザが非常に使いやすくなりました。レイアウトが自由に変更できるようになったほか、要素にタグやお気に入りのスターをつけることができるようになり、コンテンツの検索性が良くなっています。

また、プラグイン用のライブラリのダウンロードもブラウザ内で行えるようになり、別途手動でコンテンツをダウンロードしてインストールする必要がなくなっています。

サンプル素材はフリーで使える物も多いので、特に何も買わなくてもものすごい数の管理をしなくてはいけません。ブラウザの検索性が良くなったことで、今まで埋もれていたお気に入り素材が発見できたりするのではないかと期待をしています。

新プラグイン

新しいプラグインとしてはリバーヴのLuxeverb、フェイザーのVintage Phaser、ディレイのMultiband Delay、そしてシーケンサーのVFX Sequencerが追加されています。

ディレイは周波数ごとにディレイの効き具合などを調整できるプラグインということで、パイオニアのDJ用エフェクターの様な雰囲気があります。DTM用だけあってかなり極端なパラメーター設定が可能で、単にディレイとしてではなく音色ごと変更するプラグインとしても利用可能です。

テーマカラー

画面全体の配色を設定できる機能が追加されています。FL Studioと言えば伝統的に明るめのグレー基調の配色がおなじみですが、プリセットには白基調のものなども用意されています。

気分が変わっていいかなと思って白基調のものを試してみましたが、私にはまぶしく感じてイマイチでした。デフォルトのカラーをちょっと変更して自分好みに使うくらいでも楽しいと思います。

FL Studioの出力をマイクインプットとして使う

FL Studioの出力をマイクインプットとして使う方法をご紹介します。FL Studioの出力をマイクインプットとして使うと、マイク入力した音声をFL Studioで加工した上で各種ソフト(OBS等)に送ることができます。

FL StudioにはVSTプラグインをローディングできますので、EQやコンプレッサーで声質を調整したり、ディレイやエコーなどのエフェクトで変化をつけることもできます。

用意するもの

  • FL Studio(ASIO4ALLが使えれば他のDAWでも大丈夫だと思います)
  • ASIO4ALL(FL Studioに同梱されています)
  • VB-Audio Voicemeeter Banana

Voicemeeter Bananaが今回の構成のポイントです。

VB-Audio Voicemeeter Banana

[vbaudio.com]

このアプリケーションは仮想音声ミキサーとして動作をするもので、他のアプリケーションから受け取った信号をミックスしたり、ルーティングしたりすることができます。

非常に高機能で便利なアプリケーションにもかかわらず、個人利用する限りは無料(寄付歓迎)という太っ腹な設定になっています。

実際の構成

音声の流れとしては、マイク→FL Studioミキサー(in)→ASIO4ALL(out)→Voicemeeter Banana(in)→Voicemeeter Banana(out)という順番です。

まずFL Studioで使用するオーディオデバイスはASIO4ALLに設定しておきます。

ASIO4ALLではマイクとVoicemeeter Bananaをそれぞれ有効にしておきます。

FL Studioのミキサーでインプットをマイク、アウトプットをVoicemeeter Bananaに設定します。これでFL Studio側の準備はOKです。

Voicemeeter Bananaの方で受け取ったインプットを仮想アウトプットにルーティングすれば完成です。

今回の例ではVoicemeeter VAIOで受け取り、仮想A1チャンネルに流しています。最終的にOBS等のインプットにVoicemeeter Bananaのアウトプットを設定すれば一連の流れができあがります。

是非試して欲しい必須のテクニックというわけではないのですが、声にVSTプラグインでエフェクトをかけられるのでお遊び要素としては結構楽しめると思います。

FL Studio|Mixing Basics

最近動画のBGMを時々作っていることもあって、改めてFL Studioの使い方を見直しています。開発元のImage-LineがYoutubeにたくさん動画を公開してくれているので、動画で操作方法やtipsを見るのが分かりやすいです。

見た中でも特に参考になったのが標題のMixing Basicsシリーズです。その名の通りミキシングの手順をテーマごとに解説してくれている動画シリーズです。

例えば下にリンクしてあるのが”Levels”の回なのですが、

  • デジタルオーディオにおける”音量”
  • クリッピングとは
  • ラウドネスとは

等々、気になっているものの良く分からなかった事柄が章立てで解説されています。

特に参考になったのは12:33からの”ノイズを利用したミキシング”です。

人間の聴覚特性上高音域は小さいボリュームでも認識しやすく、低音域はより大きいボリュームが必要なのだそうです。これを利用して低音域から高音域に向けて-4.5dbの音量差があるブラウンノイズをミキシング対象の曲と同時に再生し、各パートごとにパートの音がノイズに混じって認識できる程度に音量を調整するという手法です。

ノイズ越しにギリギリ認識できる程度に各パートを調整することで、結果として全周波数帯にわたって聞きやすい音量バランスになるというものです。実際に使うノイズデータへのリンクも載っていて非常に親切です。

英語なので少々ハードルは高いですが、Youtubeの英語字幕を日本語に自動翻訳すれば大意はつかめるので、明らかに機械翻訳的な違和感のあるところだけ英語字幕に戻して人力で翻訳すれば、思いのほかスムーズに内容を理解できると思います。

Image-Line FLEX

最近FL Studioでよく起用しているVSTプラグインであるFLEXのご紹介をしようと思います。

FLEXの何が良いのかというと、以下のような点です。

FLEXの良いところ

操作が簡単

シンセサイザーを使っていると、気に入った音色をなかなか作ることができずに肝心な制作の方が進まなくなってしまうことがあります。

FLEXはこの点非常にシンプルで、パックに入った音色の中から気に入ったものをピックアップして音色を決定します。非常に多くの音色が用意されているので、様々な音楽ジャンルに適用できます。

また、エンベロープやフィルターに加えて音色ごとに設定された5-6個のパラメータがあるので、全くカスタマイズの余地がないわけでもありません。本当に必要最低限の部分だけカスタマイズできるので、シンセサイザーに詳しくなくてもそれっぽい音色の変化を楽しめます。

無料で使える

FLEXはFL Studio20.5から本体に同梱されるようになったVSTプラグインで、無料で使うことができます。無料で使えるVSTプラグインは機能が制限されていることが多いですが、FLEXに関して言えば無料の状態で全ての機能にアクセスできます。

また、無料の状態で膨大な数のプリセット音色が使えるので、全く不足を感じません。(※このエントリを書いている時点で無料で使える音色は1,000以上あります)

音色作りでお困りの方に

そんなわけで、非常に重宝しているVSTプラグインです。私のように音色作りで迷宮に迷い込んでしまう方や、逆に音色作りをあまりやりたくない方には特にオススメです。プリセットの音色はどれも実戦的なものなので、最近は”まずはドラムキットとFLEX”という感じで制作に役立ってくれています。

FL StudioとLaunchpadによるライブ録音

LaunchpadはMIDIコントローラ的に運用する事ができるので、もちろんライブ録音用キーボードとしても使えます。

Novationのこの動画がとても参考になったので、特にFPCの操作にフォーカスしてエントリにまとめました。

モードは仮想キーボード系かFPCが使いやすいと思います。今回はFPCでリズムパターンを構築する想定です。LaunchpadをFPCモードに設定しておきます。最上段右から4つ目のボタンを押し、続けて最右列上から4つ目のボタンを押すとFPCモードになります。

FL Studio本体の設定

FL Studio本体は上部中央のパネルで以下の通り設定しておきます。

それぞれの機能は以下の通りです。

  • ①:メトロノーム 必ずあった方が良いと思います。
  • ②:オーバーダブ 既存のループに対して追加で録音ができます。例えば、まずキックドラムだけ録音して続けてハット、スネア…といった感じでパートごとに分割して録音できます。
  • ③:ループ録音 同じパターンをループしながら録音します。オーバーダブとセットで効果を発揮します。
  • ④:入力で録音を開始 オプションですが、これをオンにして録音モードを待機させると、最初にパッドを押したタイミングから録音を開始します。
  • ⑤:録音前カウントダウン こちらもオプションで、これをオンにして録音モードを待機し、再生ボタンを押すとカウントダウン後に録音を開始します。
  • ⑥:クォンタイズ これをオンにしておくとリズムからずれたノートを補正してくれます。補正幅は任意に設定できます。1/4ビートに設定しておくとかなり手堅いです。

録音の操作

Launchpadの最右列のボタンに設定されている録音待機ボタンを押します。これで録音待機状態になり、次の再生からは”再生しつつ録音を受け付ける”状態になります。

準備ができたら再生ボタンを押すと録音が始まります。後はリズムに合わせてパッドを押していけばドラムパターンを部品ごとに構築できます。キック→ハット→スネアと入れていくとわかりやすいと思います。

最初はクォンタイズ無しの方が生演奏っぽくなって良いのではないかと思いましたが、実際やってみるとかなりの音ゲー要素を要求されるので、リズムがガタガタになります。まずはクォンタイズを入れておいた方が良いように思います。

Launchpad MK2はベロシティを検出できませんが、現行のLaunchpad Proはベロシティの入力ができるので、よりキーボードっぽく使えると思います。

Launchpad MK2でFL Studioを操作する

novationのLaunchpadシリーズはAbleton LiveやLogic Proをターゲットに作られているようなのですが、実はFL Studioでも特別な準備無く使うことができます。

FL Studioの公式ヘルプに詳しい情報があるのでそれを参考にしました。

Novation Launchpad MK2

[FL Studio Forum]

FL StudioでLaunchpadを使うときの設定

使い方は非常に簡単で、まずPCにLaunchpadを接続し、認識させておきます。

続けてFL Studioを起動し、上部メニュー”OPTIONS”→”MIDI Settings”と選択します。

正しくLaunchpadが認識されていればこの画面に表示されるはずなので、Outputの方はPORTを215に設定します。

Inputの方は”Enable”にチェックを入れ、Controller TypeでLaunchpadを選択します。Launchpadのバリエーションごとにプロファイルが存在するので、自分が使っているLaunchpadと同じものを選択します。こちらもポートを215に設定すれば設定完了で、早速使うことができます。

LaunchpadだけにパターンのON/OFFでライブ演奏をするのが真骨頂という感じですが、実は汎用のMIDIコントローラ的な使い方ができます。

MIDIコントローラ的な使い方

Launchpad用プロファイルには11個のMIDIコントローラ機能が実装されています。

最上段右から4つ目のボタンを押し、続けて最右列の2段目-8段目を押すことで1-7番目の機能にショートカットアクセスできます。

実装しているのはそれぞれ

  1. 仮想キーボード(C3-C7まで、緑が白鍵盤、黄色が黒鍵盤に相当)
  2. Cメジャー+SliceX(上段がCメジャースケール、下段がSliceXでスライスした音声データの再生)
  3. FPC(パッド左上がFPCのパッド16個分になる)
  4. 仮想縦フェーダー
  5. 仮想横フェーダー
  6. Grossbeat(左半分がタイムパターン・右半分がボリュームパターン)
  7. 仮想X-Yコントローラ

となっています。各機能間の移動は最上段の左から3つ目・4つ目のボタンでも可能で、1番から11番のどれかの機能を選択している状態で最上段左から3つ目または4つ目のボタンを押すと、各機能間を行き来することができます。

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FL Studioでループ素材を作る時の設定

ループするタイプのトラックを作る際に、FL Studioでは用途に応じた適切な設定をすることができます。

書き出し時にProject Typeという項目の中にTailという欄があります。これは曲の末尾の処理をどうするかを設定する項目です。3つから選択でき、

  • Cut Reminder :曲の終わりで切り放し(残響音もカット)
  • Leave Reminder :残響音含めて書き出し
  • Wrap Reminder :曲の終わりで切り放し&曲の先頭に曲の終わりの残響音を重ねる

となっています。

単体で成立する曲の場合はLeave ReminderでOKです。

ループトラックの場合はWrap Reminderを使うとトラック間のつながりが自然になります。ただし、1ループ目にWrap Reminderの設定をした曲を使うと曲の先頭にいきなり残響音が入るので、1ループ目はCut Reminderに設定した別データを配置し、2ループ目からWrap Reminderに設定したデータを使うのが良いと思います。

FL StudioでWAVファイルのサンプリング周波数を設定する

FL Studioでは曲データをWAV形式で書き出すことができますが、書き出しの設定をする画面ではサンプリング周波数を設定する項目がありません。

サンプリング周波数は書き出しの画面ではなく、本体のOptions→Audio Settingsで行います。

音楽ファイルの場合は44,100Hzに設定することが多いと思いますが、動画用途だと48,000Hzを設定する場合もあります。事前にこの項目を設定した上で書き出せば目的のサンプリング周波数で出力されます。