いよいよタイムコードコントロール機能に踏み込んで行きたいのですが、せっかくなので簡単に概念の解説を。
Deckadanceを始めパソコンでDJができるソフトはいろいろあるのですが、操作感覚が従前のDJとは異なるのが問題でした。
コントロールはMIDIコントローラで行うことになるので、それが人によってはネックだったわけです。
やはりアナログのターンテーブル(またはDJ用CDプレイヤー)と使い慣れたDJミキサーで操作したいというニーズがあったわけですね。
そこで、従前の操作系とDJソフトを組み合わせて利用するためにタイムコードコントロールという技術が登場しました。
Deckadance1.6の設定画面で解説をします。
タイムコードコントロールでは、まずパソコンにオーディオインターフェイスを接続し、それぞれのプレイヤーとオーディオインターフェイスを接続します。
通常のDJのセッティングではプレイヤーとミキサーを接続しますが、いきなり異なる点ですね。
次にプレイヤーで信号音の入ったコントロールバイナルを再生し、パソコンにコントロール信号を送ります。
ちなみにこのコントロール信号は聴力検査で使うような「ピー」という音です。
パソコン側ではプレイヤーから送られてきたコントロール信号を元に、DJソフトが曲を再生します。
この時再生される曲はコントロール信号を基準に再生されるので、プレイヤー側で信号の再生を止めれば曲は止まりますし、
プレイヤー側でピッチを速くすれば曲の再生速度が速くなります。
これによりプレイヤー部分は従来通りの感覚で利用できるわけですね。
そして、今度はパソコンからオーディオインターフェイスを介してDJミキサーに曲の音声を送ります。(図中の②)
後は通常通りDJミキサーでミックスすればOK。
これでミキサーも通常のDJと同じものが使えます。
ところで、プレイヤーは2つありパソコンからの出力も2系統ありますがこれはどのように振り分けを行うのでしょうか。
これには最低でも入力と出力がそれぞれ4系統ずつあるオーディオインターフェイスをパソコンにつなぐ必要があります。
最初の図に示されているように、どの入力/出力をどこに割り振るかはDJソフト上で設定できるので問題ありません。
いわゆる4in4out以上のオーディオインターフェイスを使用すれば、完全にタイムコードコントロール機能を使えるわけです。
ちょっとややこしいですが、これで既存の操作系を活かしてデジタルデータの再生が行えるのです。
DJセッションの動画で1度もレコードを入れ替えないのにトラックは次々替わっていくのを見て
どうなっているんだろうと不思議に思っていましたが、今はこういうものがあるんですね。
これならアナログ派の人もPCと組み合わせてデジタル音源でプレイできるわけですね。
タイムコントロールディスクを使ってのプレイ中に、曲が入った普通のアナログのレコードをこれに組み合わせて流すことはできるんでしょうか?
コメントありがとうございます。
Deckadanceについて言えば、1.x時代はInput Thruという機能があり、ソフトウェア側でタイムコードコントロールをするか、入力信号をそのままミキサーに流すかを選べるようになっていました。
これは2.0にバージョンアップした際に無くなってしまったようです。
持っていないので不確実ですが、マニュアルを見る限りTRAKTOR SCRATCH A6やTRAKTOR SCRATCH A10には同様の機能が実装されているようです。