国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる本の紹介です。今回は1982年に発行された” Sky map of Nagano : 航空写真集長野” という本です。
Sky map of Nagano : 航空写真集長野
[国立国会図書館デジタルコレクション]
この本は長野市市街地の航空写真をまとめた本です。古い航空写真であれば国土地理院の情報が閲覧可能ですが、この本の貴重なところは写真が全て斜め写真であることです。
市内各地の様子がかなり細かく記録されています。主要な公共施設と、この本に広告出稿した企業の場所については注記が入っているので現在の様子との比較も割としやすいと思います。
変化のあるところ
やはり現在と変化のあるところがまずは気になるものですが、長野駅東口周辺はかなり当時と様子が違うようです。ホクト文化ホールは写真から察するに建設中で、周辺には県の農業試験場が広がっています。
また、東口の駅前はほとんど国鉄の施設で占められていて、実質駅の出入り口は善光寺口のみといった感じです。
市街地北部の方を見てみると、現在ホテルアマンダンスカイのある場所には長野郵便貯金会館という注記があります。郵便貯金会館は後にメルパルクという名前になり、長野の場合はつい最近まで東口の駅前でホテルが営業していました。東口駅前にメルパルクができる前は箱清水の方に立地していたのかもしれません。
変化のないところ
やはり歴史のある大きいビルなどは現在とあまり見た目が変わっていないことが多いように感じます。今まさに建て替えが進んでいるそうですが長電パーキングや長野駅前のC-ONEビルなど特徴のある大きい建物は当時の写真でもパッと見で分かります。
また、大手自動車メーカーの店舗も建物こそ様子が違いますが、ほとんど立地は変化していないようです。
鉄道関連
鉄道関連も興味を引くところがたくさんあります。まず長野駅は従来の仏閣型駅舎の様子がはっきりととらえられています。今のように駅ビルなどはないですが、駅の規模は大きくターミナル駅としての風格が感じられます。
篠ノ井のカットも1つだけあるのですが、端の方に篠ノ井駅が写っています。現在もJR貨物の施設がある関係で非常にたくさんの側線があるのですが、1982年当時の写真では貨車が大量に留置されています。
現在は石油輸送用のタンク車を時々見かけるくらいなので、これは現在とずいぶん様子が違う感じがします。
というわけで見れば見るほどキリのない資料で大変楽しめました。正味50ページくらいなので割と気軽に見られると思います。掲載されている広告も当然ながら当時のものなので、時代を感じる広告の内容も見どころです。